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細胞周期観察用蛍光タンパク質 Fucci2a

  • Fucci2aは、G1期特異的タンパク質(hCdt1(30/120)) -mCherryとS/G2/M期特異的タンパク質(hGeminin(1/110)) -mVenusがT2A配列を介して融合しています。このため、培養細胞への導入時などに、2種類の蛍光タンパク質の発現量が安定することから、細胞周期を高精度に観察することができます。

(INF0089j 2024.09.13 N.N)


コモンマーモセットcDNAクローンMMTD

(INF0088j 2024.06.03 N.N)


明るく、褪色しにくい緑色蛍光タンパク質 単量体型StayGold

  • プラスミドリストは、下記をご参照ください。
    Ando, R. et al., StayGold variants for molecular fusion and membrane-targeting applications. Nat Methods. 2023 Nov 30. doi: 10.1038/s41592-023-02085-6. Epub ahead of print PMID 38036853.

(INF0087j 2023.02.13 N.N)


光スイッチング蛍光タンパク質Kohinoorなど様々な光るタンパク質

  • 光スイッチング型Kohinoor、耐酸性型Gamillus、短波長群青色型Siriusなどの蛍光タンパク質を大阪大学産業科学研究所の永井健治先生よりご寄託いただきました。是非、利活用ください。
  • Fluorescent Protein Product PMID Resource name Cat ♯
    Kohinoor 2.0 A photoswitchable fluorescent protein for hours-time-lapse and sub-second-resolved super-resolution imaging 33481018 Kohinoor 2.0/pcDNA3 RDB19862
    SPOON Spontaneously blinking luorescent protein for simple single laser super-resolution live cell imaginga 29963852 SPOON/pcDNA3 RDB19863
    Gamillus Acid-Tolerant Monomeric GFP from Olindias formosa 29290624 Gamillus/pcDNA3 RDB19864
    Super Nova Green monomeric photosensitizing fluorescent protein for photo-inducible protein inactivation and cell ablation 29712573 SuperNova Green/ pRSETB RDB19865
    Sirius A monomeric photosensitizing fluorescent protein for chromophore-assisted light inactivation 19349978 Sirius/pcDNA3 RDB19875
    Cameleon-Nano An ultrasensitive calcium ion sensor with Kd, 65 nM
    (Also available in 15, 30 and 50 nM versions)
    2069399 Yellow Cameleon-Nano65 /pcDNA3 RDB19877

(INF0086j 2023.09.01 N.N)


様々な生物に由来する高輝度発光ルシフェラーゼや発光タンパク質 (2023/04/28)

  • 自然界には、ホタルや海洋生物のように自ら発光する生物がたくさん存在しています。発光現象は、基質の酸化反応によるものですが、ルシフェラーゼ・レポーターアッセイに代表されるように、発光を活用した研究手法が、広く普及しています。
  • レポータータンパク質として用いられる発光酵素として、北アメリカ産ホタル(Photinus pyralis)のルシフェラーゼがよく知られていますが、近年までに、カイアシ類(プランクトン)やエビなどの海洋生物に由来する発光酵素や人工的に設計された発光酵素などが開発されています。これらは、ホタル由来のレポータータンパク質と比較して、分子量が小さく高輝度です。そのため、発光酵素に結合したタンパク質の機能に影響を与えにくい特徴を有しており、生細胞内で標的タンパク質の動態などをリアルタイムに検出できる発光イメージング研究などに活用されています。
  • JNC株式会社(以下、JNC社) は、生物発光に関する長年にわたる研究成果として、細胞からのインスリン分泌を発光イメージング方法によって観察し、細胞全体におけるエキソサイトーシス部位の局在を特定しうること、細胞からのインスリン分泌量を定量しうることなどを見いだしています(Suzuki, T. et al. Anal. Bichem., 2011., Suzuki, T. et al. Plos One., 2011)。JNC社では、研究過程で開発した生物発光酵素のプラスミドを販売しておりましたが、この度、カイアシ類のガウシア・プリンセップス(Gaussia princeps)由来やヒオドシエビ(Oplophorus gracilirostris)由来のルシフェラーゼやオワンクラゲ(Aequorea victoria)由来のイクオリンなどの発光タンパク質を含む27種類のプラスミドDNAをご寄託していただくことになりました。当室が引き継いで、ご提供いたします。
    URL:JNC CORPORATION’s Resource
  • また、産業技術総合研究所の金 誠培先生の研究グループは、カイアシ類由来の発光酵素を元に、最適なアミノ酸配列を人為的に改良・改善することで、元々の発光酵素より最大で100倍の高輝度でありながら、発光持続性のある人工生物発光酵素(Artificial luciferase; ALuc)を開発しました(Kim, S.B. et al. Bioconjug. Chem., 2013)。この度、2種類のALucプラスミドをご寄託していただきました。
    URL:Sung-Bae Kim’s Resource
  • その他、赤色発光ルシフェラーゼ(Akaluc)、環境要因に作用されにくいルシフェラーゼ(PmatLuc1やPsagRE1Lucなど)などをご提供できます。研究用途に合わせてお選びください。皆様の活発なご利用をお待ちしております。
    URL:高発光ルシフェラーゼ
  • 参考論文など
    • Inouye, S. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 82 (10): 3154-3158, 1985. PMID 3858813
    • Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 109: 47-54, 2015. PMID 25665506
    • Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 52: 66-73, 2007. PMID 16997571
    • Inouye, S. FEBS Lett. 347 (2-3): 163-168, 1994. PMID 8033996
    • Inouye, S. et al. FEBS Lett. 315 (3): 343-346, 1993. PMID 8422928
    • Inouye, S. J. Biochem. 143 (5):711-717, 2008. PMID 18296715
    • Inouye, S. et al. FEBS Lett. 341 (2-3): 277-280, 1994. PMID 8137953
    • Inouye, S. et al. FEBS Lett. 481 (1): 19-25, 2000. PMID 10984608
    • Inouye, S. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 445 (1): 157-162, 2014. PMID 24491536
    • Inouye, S. et al. Biochem. Biosci. Biotechnol. 75 (3): 568-571, 2011. PMID 21389603
    • Inouye, S. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 376 (3): 448-453, 2008. PMID 18789309
    • Suzuki, T. et al. Anal. Bichem. 415 (2): 182-189, 2011. PMID 21477579
    • Suzuki, T. et al. Plos One. 6 (9): e25243, 2011. PMID 21969874
    • Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 128: 93-100, 2016. PMID 27506135
    • Inouye, S. & Sahara, Y. Protein Expr. Purif. 53 (2): 384-389, 2007. PMID 17275329
    • Kim, S.B. et al. Bioconjug. Chem. 24 (12): 2067-2075, 2013. PMID 24237362
    • Kim, S.B. et al. ACS Comb. Sci. 19 (9): 594-599, 2017. PMID 28742969
    • 人為的に設計・開発した生物発光酵素(ALuc) (産業技術総合研究所プレスリリース 2013.11.26)
    • 人工生物発光酵素(ALucR)に選択的に発光する基質を開発 (産業技術総合研究所プレスリリース 2017.12.22)

(INF0085j 2023.04.28 N.N)


オルガネラコンタクトサイトを可視化するSplit-GFPプローブ (2022/12/16)

  • オルガネラが異なるオルガネラと結合する領域(オルガネラコンタクトサイト)の観察は、固定化した細胞を用いた解析が一般的です。生細胞における解析方法も報告されていますが、検出感度が低いなどの問題がありました。山形大学の田村康先生、京都産業大学の遠藤斗志也先生の研究グループは、Split-GFPの特性を利用して、オルガネラコンタクトサイトを可視化するための有効なツールを開発しました (Kakimoto, Y. et al., Sci. Rep. 8 (1): 6175, 2018. PMID 29670150)。
  • Split-GFPは、二つに分割されたGFPのタンパク質断片であり、それぞれは蛍光を発しません。一方、これらの断片が近接することで、GFPが再構築され、その蛍光が復活します。研究グループは、GFPを構成する11本のβストランドをN末端側の10本(GFP1-10)とC末端側の1本(GFP11)に分割し、それぞれ異なるオルガネラに局在するタンパク質に結合し発現させました。観察された蛍光が、本来のオルガネラコンタクトサイトの形状に応じて検出されたこと、既知のオルガネラ結合因子と同じ場所に観察されたことなどから、生きた細胞内のオルガネラコンタクトサイトが可視化されたことが分かりました。
  • ミトコンドリアや小胞体などへの局在配列にGFP1-10並びにGFP11が融合した、哺乳動物細胞発現用や出芽酵母に用いるゲノムインテグレーション用のSplit-GFPプローブプラスミドなどを田村先生から寄託していただきました。皆様の活発なご利用をお待ちしております。
  • プラスミドリスト
  • 参考論文など

(INF0084j 2022.12.16 N.N)


明るく、退色しにくい新規の緑色蛍光タンパク質 「StayGold」 (2022/08/05)

  • オワンクラゲから緑色蛍光タンパク質(GFP)が発見されて以降、様々な波長域を持つたくさんの蛍光タンパク質が発見・開発され、細胞内のタンパク質の局在や動態を解析するための可視化ツールとして活用されています。一方で、蛍光タンパク質は、高輝度での撮影のために強い励起光を照射したり、経時的な変化を観察するために繰り返し光を照射すると褪色し、シグナルが減弱するという欠点がありました。
  • 理化学研究所脳神経科学研究センターの宮脇敦史チームリーダーと東北大学、北里大学、花王との共同研究グループは、野生型タマクラゲ由来の新規の緑色蛍光タンパク質CU17Sの遺伝子を単離し、培養細胞や大腸菌に導入したところ、暗いものの退色しにくい特性を有していることを見出しました。さらに、CU17S遺伝子に特定の変異を導入することで、極めて退色しにくい性質はそのままに非常に明るい蛍光タンパク質を開発することに成功しました。この蛍光タンパク質は、明るくいつまでも輝き続けるという意味を持つ「StayGold」と命名されました(Hirano, M. et al., Nat. Biotechnol. 2022. PMID: 35468954)
  • StayGoldの光安定性は、既存の蛍光タンパク質と比較して、最大で100倍程度優れています。宮脇敦史チームリーダーらは、StayGoldの退色しにくいという特性を活かし、連続的な照明の下、経時的な蛍光観察を行って、小胞体などの細胞内器官の動的構造変化を明らかにしました。また、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質にVHH抗体とともに結合させ、感染細胞内でウイルス粒子が成熟する過程の観察に成功しました。
  • この度、宮脇敦史チームリーダーより標的遺伝子をN末端、あるいはC末端に融合できるStayGold (cat# RDB19605: (n1)StayGold/pRSET、cat# RDB19606: (n1)StayGold(c4)/pRSET)や微小管滑走分子などを効率よく蛍光標識するためにStayGoldを直列に連結したtandem dimer StayGold (cat# RDB19609: tdStayGold/pcDNA3)など計10種類のプラスミドを寄託していただきました。皆様の活発なご利用をお待ちしております。

  • プラスミドリストは、下記をご参照ください。
    Hirano, M. et al. A highly photostable and bright green fluorescent protein. Nat. Biotechnol. 40 (7): 1132-1142 (2022). PMID 35468954.

    • RDB19605  (n1)StayGold/pRSET
      Fluorescent protein StayGold for fusion to the C-terminus of target molecule
    • RDB19606  (n1)StayGold(c4)/pRSET
      Fluorescent protein StayGold for fusion to the N-terminus of target molecule
    • RDB19607  (n1)oxStayGold/pRSET
      Fluorescent protein oxStayGold for fusion to the C-terminus of target molecule
    • RDB19608  (n1)oxStayGold(c4)/pRSET
      Fluorescent protein oxStayGold for fusion to the N-terminus of target molecule
    • RDB19609  tdStayGold/pcDNA3
      Fluorescent protein tdStayGold for fusion to the C-terminus of target molecule
    • RDB19610  tdStayGold(c4)/pBS Coupler
      Fluorescent protein tdStayGold for fusion to the N-terminus of target molecule
    • RDB19611  tdoxStayGold/pcDNA3
      Fluorescent protein tdoxStayGold for fusion to the C-terminus of target molecule
    • RDB19612  tdoxStayGold(c4)/pBS Coupler
      Fluorescent protein tdoxStayGold for fusion to the N-terminus of target molecule
    • RDB19613  er-(n2)oxStayGold(c4)
      Vector for ER labeling with fluorescent protein oxStayGold
    • RDB19614  mt-(n1)StayGold
      Vector for Mitochondria labeling with fluorescent protein StayGold

(INF0083j 2022.08.05 N.N)


哺乳動物細胞用の遺伝子発現ベクター pEF-BOSシリーズ (2022/03/19)

  • pEF-BOS、並びにpEF-BOS-EXベクターは、大阪大学 免疫学フロンティア研究センターの長田 重一 先生らによって開発された哺乳動物細胞用の遺伝子発現ベクターです (Mizushima, S and Nagata, S. Nucleic Acids Res. 18 (17): 5322, 1990、Murai, K. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 95 (7): 3461-3466, 1998)。これらのベクターは、ヒト由来のポリペプチド鎖伸長因子EF-1αプロモーターが搭載されており、細胞種に依存しない高いプロモーター活性により、様々な細胞種への遺伝子導入実験に用いられています。
  • この度、長田先生よりpEF-BOS-EXを改良した付加価値の向上したベクター、すなわち目的遺伝子産物にFLAGタグを融合できるpEF-Flag-EX (RDB18972)、並びに目的遺伝子の安定発現細胞株を作製するために用いるネオマイシン耐性マーカーを持つpNEF-BOS-EX (RDB18970)とピューロマイシン耐性マーカーを持つpPEF-BOS-EX (RDB18971)を寄託していただきました。皆様の活発なご利用をお待ちしております。
    Cat.# Resource name Remarks
    RDB07939 pEF-BOS  
    RDB07940 pEF-BOS-EX  
    RDB18972 pEF-Flag-EX N-terminal FLAG-tag
    RDB18970 pNEF-BOS-EX Selectable markers in mammalian cells, Neomycin
    RDB18971 pPEF-BOS-EX Selectable markers in mammalian cells, Puromycin

     

(INF0082j 2022.03.19 N.N)


(GRP0071j 2022.03.19 N.N)

2024.09.13



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