寄託・譲渡申込み

寄託・譲渡の概要

理研BRC遺伝子材料開発室では、研究コミュニティとの連携の下、我が国で開発された貴重な遺伝子材料を収集し、保存、品質検査を行った後に提供しています。

寄託・譲渡したために遺伝子材料の移動や使用の制限を受けることはありません。

  • 遺伝子材料を寄託・譲渡することによって、寄託者/開発者が理研BRCから遺伝子材料の移動や使用の制限を受けることは有りません。寄託・譲渡して頂いた後も、ご自身の研究は続けることが可能です。
  • 当センターでは寄託者のリソースに関する知的財産権を保護すると同時に、リソースを広く利用していただくために、「生物遺伝資源寄託同意書」と「生物遺伝資源提供同意書」を整備いたしました。

リソースのリクエストに応える負担を軽減します。

  • 優れた論文であればあるほど多くの提供依頼が届き、研究者自らがバイオリソースを準備して提供することは、研究者に時間的にもまた経済的にも大きな負担となり、研究者自らの研究を妨害しかねません。理研BRCの役割の一つは、研究者をそのような作業から解放することにあります。
  • 書式の作成はご相談ください。遺伝子材料移転作業のお手伝いをいたします。

我が国の知的基盤の構築に大いに貢献できます。

  • 各研究者、各機関から貴重なバイオリソースを理研BRCに移転し、後代に渡り利用を可能としていただくことにより、我が国の知的基盤の構築に大いに貢献することになります。

リソースの品質検査を実施します。

  • 実験の再現性を確保した遺伝子材料を提供するため、遺伝子材料に応じて必要な品質検査を行います。当開発室が実施する品質検査については、「遺伝子材料の品質管理」をご覧ください。
  • 寄託者の皆様には、遺伝子材料の関連論文、出処、特性、操作された遺伝子の検査方法等、知りうる限りの正確な情報の提供をお願い申し上げます。寄託者の皆様からの情報がリソースの価値を決定すると言っても過言ではありません。

寄託・譲渡の手順

寄託・譲渡の申込み

  1. 寄託あるいは譲渡していただく遺伝子材料がありましたら、リソース情報提供書に遺伝子材料の概要を記入し、遺伝子材料寄託/譲渡申込書とともに、当開発室までE-mailでご連絡下さい。
    〒305-0074  茨城県つくば市高野台3-1-1
      理化学研究所バイオリソース研究センター (BRC)
      遺伝子材料開発室 寄託担当
      TEL: 029-836-3612 (平日の9:00~12:00 / 13:00~17:00)
      FAX: 029-836-9120
      E-mail: dna_qa.brc@riken.jp
  2. 頂いた情報に基づいて、リソースが受入れ可能であることを確認し、必要な書類をご案内いたします。
  3. 仮作成した書類をE-mailにてお送りいたします。内容のご確認、追記・訂正をお願いいたします。

寄託と譲渡について

  • 当センターでは寄託者のリソースに関する知的財産権を保護すると同時に、リソースを広く利用していただくために、「生物遺伝資源寄託同意書」と「生物遺伝資源提供同意書」を整備いたしました。
  • 「寄託」においては、知的財産権の移転は含まれておらず、リソースの知的財産権は、寄託者が所有します。 寄託の際につけられた利用に際しての条件は、そのまま利用者に課します。
  • 「譲渡」では、リソースの知的財産権等の権利も含めて当センターに移転していただきます。但し、譲渡者の皆様は譲渡後も譲渡したリソースを自由にお使いいただくことができますし、また譲渡にあたって、知的財産権に関する以外の利用に際しての条件、例えば「研究成果の公表にあたって謝辞の表明を必要とする。」、「研究成果の公表にあたって譲渡者の指定する文献を引用する。」を付加することができます。定年退官等で公職を離れる場合、また利用者からの様々な質問、要望に答えることが困難であることが予想される場合には、「譲渡」をお奨めいたしております。どうぞ寄託に併せて、譲渡もご検討いただきますようお願い申し上げます。

提供条件について

  • リソースの提供における条件を付加することができます。但し、リソースを広く研究者の方々に利用して頂くため、できる限り寛大な条件をお願いいたします。
  • 近年、産業界へのバイオリソースの提供が増加しています。無条件の寄託は最も歓迎されることではありますが、学術研究・営利目的利用の区別なしに無条件の提供なのか、それとも学術研究への提供のみが無条件なのか、ご検討いただき、明示いただきますようお願いいたします。
  • 参考:「提供申込みに必要な書式」[link]
  • 寄託同意書の使用条件の推奨例
    和文 英文
    研究成果の公表にあたって謝辞の表明を必要とする。 In publishing the research results to be obtained by use of the BIOLOGICAL RESOURCE, an acknowledgment to the DEPOSITOR is requested.
    研究成果の公表にあたって寄託者の指定する文献を引用する。 In publishing the research results obtained by use of the BIOLOGICAL RESOURCE, a citation of the following literature(s) designated by the DEPOSITOR is requested.
    学術機関の学術研究に限る。 The availability of the BIOLOGICAL RESOURCE is limited to a RECIPIENT of a not-for profit organization for a not-for-profit research.
    利用者は提供承諾書を用いて、事前に寄託者の承諾を得る。 Prior to requesting the BIOLOGICAL RESOURCE, the RECIPIENT must obtain approval from the DEPOSITOR using the Approval Form.
    営利機関の利用希望者は、事前に利用条件等につき寄託者と合意し、提供承諾を得ること。 For use of the BIOLOGICAL RESOURCE by a for-profit organization, the RECIPIENT must reach agreement on terms and conditions of use of it with DEPOSITOR and must obtain a prior written consent from the DEPOSITOR.
    寄託者から要請がある場合、理研BRCは、本件リソースのリソース名、提供先、利用目的、件数を寄託者に報告する。 When requested by the DEPOSITOR, RIKEN BRC informs the DEPOSITOR on the name of resource, RECIPIENT’s name and his/her affiliation, purpose of the use, and number of resources.
    利用者が本件リソースを使用して得られた研究成果に基づき特許等の申請、及び事業活動を行う場合は、寄託者と別途協議を行う。 RECIPIENT must contact the DEPOSITOR in the case of application for any patents or commercial use based on the results from the use of the BIOLOGICAL RESOURCE.

リソースの送付について

  • 書類の完成後、当センター公印押捺済みのMTAを郵送いたします。MTAの締結後、改めて遺伝子材料の輸送日をご相談いたします。
  • 組換え体の場合は、事前に情報提供していただく必要がございます
  • DNAの送付の場合、約1μgを遺伝子材料開発室まで、宅配便(着払い)にて、お送り下さい。
  • サンプル取り違えを防ぐため、サンプルチューブには寄託・譲渡同意書に記載された遺伝子材料名をご記入下さい。
  • 遺伝子材料、寄託・譲渡者、開発者の情報はデータベースに登録し、ホームページで公開いたします。

申込用紙

遺伝子材料寄託/譲渡申込書 (書式 G)

リソース情報提供書 (書式 N)


同意書(MTA)

  • 寄託同意書(MTA) [Word] 
  • 譲渡同意書(MTA) [Word] 
  • 同意書には寄託用の「生物遺伝資源寄託同意書」と譲渡用の「生物遺伝資源譲渡同意書」がございます。
  • 遺伝子材料を当センターへ寄託・譲渡していただくための機関間の契約書です。リソースが提供される場合の条件を記入していただくことが可能です。
  • 機関長印は、公印(役職印)をお願いいたします。「機関長」は、大学、大学院、研究所の場合は学部長、研究科長、所長を想定しておりますが、知的所有権に関する管理責任者が任命されている機関では、管理責任者となります。

遺伝子材料データシート(書式 F-3)

  • 遺伝子材料データシート(書式 F-3) [Excel] 
  • 遺伝子材料の基礎データを記入する書式です。ホームページで公開するカタログの原稿にあたり、この情報をもとに当バンクの遺伝子カタログを作成します。日本語ならびに英語での表記をお願いいたしております。
  • この書式にとらわれず、ラボでご使用のシートがありましたらお送りください。電子データやノートのコピー等も歓迎いたします。

ヒト遺伝子材料寄託データシート (書式 F-5)

  • ヒト遺伝子材料寄託データシート (書式 F-5) [MS-Word] 
  • ヒト由来遺伝子材料の受け入れの際には各関連委員会の承認を必要とする場合があります。ヒト由来遺伝子材料では、この書式の提出をお願いしています。質問項目に従いご記入下さい。
  • ※ 遺伝子材料ごとにこの様式を作成して下さい。
  • 機関の倫理委員会での審査が必要であった研究で開発されたヒト遺伝子材料については、当該材料を開発した研究の機関長もしくは倫理委員会の承認書の写しを添付して下さい。ヒト由来の材料については、特に次の2点について配慮する必要がありますので、ご理解とご協力のほど宜しくお願い申し上げます。当室で取扱うヒト遺伝子材料は、連結不可能匿名化されていることを原則としています。寄託機関で連結不可能匿名化されていない場合は、当センターで実施する必要があります。当センターのような公的バンクに提供することを予め試料提供者に説明し、同意を得ている必要があります。

組換え体での寄託・譲渡の場合

  • 組換え体の場合に、機関が承認した「遺伝子組換え実験計画書」並びに「遺伝子組換え実験承認書」の写しを準備してください。

制限酵素地図

  • 様式の定めはありません。寄託するクローン全体(ベクターも含む)のMapと、制限酵素で切断した時にどのようなDNA断片が生じるかを記載してください。受け入れ検査の参考にしますので、複数の酵素による切断の結果を含めていただきますようお願いいたします。ノートのコピー等を添付していただく場合は、スキャン画像をPDF化して公開します。その他、可能であればシークエンスデータなどの情報も添付して下さい。PDFファイル、GIFフォーマットファイル、TIFFファイル、Microsoft PowerPointファイルも歓迎いたします。お送りいただいた電子ファイルはWebカタログ上で公開いたします。
    ラボでご使用のシートがありましたらお送りください。

寄託・譲渡とクレジット制度について

  • 遺伝子材料の寄託者、譲渡者の皆様に、当センターからの感謝の意を込めて、寄託数、譲渡数見合い分の同種類のバイオリソースを無償で提供いたします。例えば、DNA clone を3株寄託していただいた場合、DNA clone、vectorあるいはYAC cloneの中から3株を取得できます。是非ご利用下さい。

(2003.02.21, T.M.)

2022.03.23



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