No.80

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■ 変異p53遺伝子産物の情報
■ バンク雑記
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■■■ 変異p53遺伝子産物の情報 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/en/GENESETBANK/211p53p73_4.html
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■ 昨年8月のメールニュースで、汎用ヒト培養細胞におけるp53遺伝子ならびにがん関連遺伝子の文献情報をお知らせしました。
■ このたび、変異を受けたp53遺伝子産物がドミナントネガティブとして働くかどうか、あるいは転写活性化能があるかどうかに注目して集めた情報を追加掲載しました。主に、酵母を用いたレポーターアッセイ法による文献情報をまとめたものです。新たな情報をお持ちの方はDNA Bank までお知らせください。
■ p53 標的遺伝子のページでは、p53 標的遺伝子プロモーター配列ならびにp53 結合配列をもつレポータープラスミドを用いたアッセイの結果をpdf ファイルで公開しています。
■ 今後もp53 にまつわる情報を順次追加し、提供しています。ご期待ください。

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 平成21年を向え、室員一同心より皆様のご繁栄とご発展をお祈り致しております。希望の夢をふくらませつつ決意を新たにしております。
■ 理化学研究所は昭和62年6月に細胞・遺伝子保存施設(理研ジーンバンク)を設置し、ライフサイエンス関連分野の研究発展を促進する体制を整えてきました。遺伝子材料開発室(旧DNA バンク, 旧DNA 開発銀行)は、平成5年度より汎用宿主ベクター系とクローン化遺伝子を中心に収集と提供を開始し、平成7年度以降、Fondation Jean Dausset-CEPH 研究所より寄付されましたCEPH Mega YAC クローン化ライブラリー、さらに札幌医科大学 濱田洋文先生、および東京大学医科学研究所 斎藤泉先生より寄託されました遺伝子導入用のレトロ・アデノ・アデノアソシエートウイルスおよび組換えシャトルベクターDNA の収集と提供事業を行なってきました。平成10年度に採択された文部科学省振興調整費・知的基盤整備「組換えウイルスコアバンク創設とその高度利用」プロジェクトでは、バンクに寄託していただいた種々のcDNA クローンや東京大学 菅野純夫先生よりの完全長cDNA クローンを組換えウイルスベクターに搭載し、組換えウイルス部門を充実させました。他にも、NIA/NIH の洪実先生やERATO バイオシンメトリープロジェクトの土居洋文先生からマウス初期発生段階特異的なMouse cDNA Clone セット、大阪大学微生物研究所 野島博先生から各種cDNA ライブラリー群、愛知県がんセンター研究所の赤塚美樹先生からは日本人に特異的なHLA シリーズ、Ludwig Institute for Cancer Research 、愛知県がんセンター研究所、並びにバイオリソースセンターリソース基盤開発部からはSEREX 法により同定された癌抗原cDNA クローン、理化学研究所の阿部訓也先生からはマウスBAC ゲノムクローン化ライブラリー等の寄託を、理研ゲノムセンター(理研GSC) の榊佳之先生から、ヒト染色体別ゲノムクローン化ライブラリーを始めとする大型ゲノムライブラリー等の大規模ゲノムの寄託を承っております。最近ではNBRP 関連の大型リソースの寄託が増加の一途をたどっており、喜ばしい限りです。
■ 理化学研究所は、平成13年に、国内外のライフサイエンス研究の動向を踏まえ、研究推進に必要な遺伝子材料、動植物細胞株・動植物個体および遺伝子関連情報を収集・保存するとともに、自らも新しい材料および関連技術の開発を行い、国内外の研究者に広く普及することを目的としたバイオリソースセンターを発足させました。 バイオリソースセンターには、遺伝子部門以外に「動物」「植物」「細胞」「微生物」「情報」ならびに開発研究グループの部門を有し(https://www.brc.riken.jp) 、生命科学研究全般の知的基盤整備とその推進を目標に、「信頼性」「継続性」「先導性」をモットーにリソース開発、整備事業を展開しております。
■ バイオリソースセンターが発足した平成13年、政府の「科学技術基本計画」(閣議決定)において、生物遺伝資源を含む知的基盤の重要性が指摘され、また同年、総合科学技術会議が作成した「分野別推進戦略」では、多様な生物資源の収集・確保・維持・管理・供給機能の長期的継続、国家的な対応の必要性が述べられました。一方、文部科学省の科学技術・学術審議会では「知的基盤整備計画」(答申)において、我国の生物遺伝資源が欧米諸国に比して量については大きく遅れている現状を踏まえて、「国が重点的かつ主体的に整備すべきバイオリソースについては、2010年時点で世界最高水準の目標を達成する」ことを提示しました。
■ 平成14年度には文部科学省がナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP) を発足させ、当開発室はその枠組みの中で「動物および微生物のDNA 」の収集・保存・提供に関わる中核機関として選定され事業を進めています。「生物遺伝資源寄託同意書」(MTA) の見直しを行い、リソースが寄託されても知的所有権はバンクには移動せず、オリジネーターに保持される点を明確化しました。第一期NBRP (平成14年~18年)でも、理研GSC の榊佳之先生と自然科学研究機構生理学研究所の伊佐正先生からはニホンザルBAC ライブラリー、チンパンジー22染色体ゲノムライブラリー、広島大学 矢尾板芳郎先生、自然科学研究機構基礎生物学研究所の上野直人先生および東京大学 平良眞規先生からはXenopus tropicalis と Xenopus laevis EST cDNA ライブラリーを、京都大学 芦川忠夫先生からはラットBAC ライブラリーを、徳島大学の野地先澄晴先生よりマウス、コオロギのcDNA ライブラリーを、国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 加藤誠志先生より、ヒトcDNA ライブラリーを、京都大学の佐藤矩行先生よりカタユウレイボヤcDNA ライブラリ?を御寄託頂きました。その他、理化学研究所中央研究所の吉田稔先生からは、S. Pombe 酵母の発現クローン化ライブラリー、理化学研究所播磨研究所、大阪大学の倉光成紀先生より高度好熱菌Thermus thermophilus HB8 蛋白質発現ならびに遺伝子破壊プラスミドライブラリーが寄託されました。
■ さらに当開発室では、学術論文等をもとに構築した、ルシフェラーゼ活性が確認されたクローンから構成される「プロモーターバンク」を立ち上げ、既に多数のクローンの提供を始め、そのアッセイデータをインターネットで公開しています。また、筑波大学生物資源センターや理研BRC 実験動物開発室と共同で、プロモーターCre マウス作製のプロジェクトを平成16年度より始動させております。転写のシスエレメントをレポーターに接続させたレポーターミニライブラリーも完成させました。遺伝子資源の多様化に向けて、生化学反応のジャンルごとにセット化した遺伝子ネットワークをまとめて提供するため、新しく「セット化サブバンク」を平成18年より設置し、その活動を現在も継続させております。平成18年度より理化学研究所微生物材料開発室と共同で、有用微生物のゲノムDNA の提供を開始いたしました。遺伝子から組換えウイルスそして組換え細胞、組換えマウスと提供試料は多様化してきております。本年度も、日本より発信できる遺伝子リソース、(1)プロモーターバンク (2)遺伝子導入バンク(組換えウイルス)/セット化バンク (3)日本人特異的遺伝形質バンクを中心に、これにメタゲノムを始めとする (4)生物多様性ゲノムライブラリーを加えて活動を行なってゆきたいと考えております。ユーザーの希望に即した「次世代リソース」の作製、開発、収集、提供事業を展開してゆく所存です。特に今年からはプロモーターバンクに焦点を合わせて収集、開発を行なってゆきます。さらに増え続ける大型リソースの新規保存法の開発研究も続行中です。ちかぢか其の成果もお届けできます。
■ 皆様のご要望に答えたバンク作りを目指します。
■ 宜しく御支援の程、お願い申し上げます。2010年の世界最高水準に向けて頑張ります (K.K.Y.)。

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
dnabank@brc.riken.jp
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/
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2009.02.09



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