RCB_News

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■ 高度好熱菌クローン一覧
■ 発現クローンシリーズのページ更新
■ ミニアンケートをはじめました
■ NBRPキックオフシンポジウムのお知らせ
■ バイオリソースの提供手数料の設定と改定のお知らせ
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 高度好熱菌クローン一覧 ■■■
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■ 高度好熱菌Thermus thermophilus の蛋白質発現用ならびに遺伝子破壊用プラスミドの一覧を設けました。この表には、現在提供中のセットに含まれるクローン (clone set 欄) 、追加寄託されたクローン (supplement 欄) 、遺伝子破壊用クローン (disruption 欄) を記載しています。
www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/TT_plasmid_sum.html
をご参照下さい(大きな表ですので読み込みに時間がかかります。ご了承下さい)。
■ 高度好熱菌プラスミドクローンのページは下記のアドレスです。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/thermus_ja.html

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■■■ 発現クローンシリーズのページ更新 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/RDB5956_2ja.html
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■ pCMV_tagならびにpRSV_tag ベクターにクローニングした発現クローンシリーズのウエタンブロット像を掲載しました。ボタンをクリックすると、別ウインドウで画像が開きます。
■ このクローンシリーズは、コード領域をクローニングした発現ベクターです。ヒト遺伝子を中心に構築を進めています。

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■■■ ミニアンケートをはじめました ■■■
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■ ウェブカタログで表示可能なクローンについて、クローンの利用方法に関するミニアンケートをはじめました。例えば、下記のクローン (RDB 6064) をご覧下さい。
https://www2.brc.riken.jp/lab/dna/detail.cgi?rdbno=6064
■ 頂いたお答えを参考にして、今後のクローン収集ならびに新たな遺伝子材料の構築に取り組みたいと思っております。
■ また、質問投稿欄も同ミニアンケートに設けていますので、ご利用ください。

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■■■ NBRPキックオフシンポジウムのお知らせ ■■■
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■ 「NBRPキックオフシンポジウム」が開催されます。
日程:2008年3月10日(月)
場所:東京都千代田区一ツ橋2-1-1
如水会館2階 スターホール、 オリオンルーム、ペガサス
■ 参加は無料ですが、事前の参加登録が必要です。詳細は、NBRP のホームページをご覧下さい。
http://www.nbrp.jp

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■■■ バイオリソースの提供手数料の設定と改定のお知らせ ■■■
https://www.brc.riken.jp/inf/news/20080222.html
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■ 数種の新しいバイオリソースを提供する運びとなり、それらの手数料を設定いたしました。また、既存のバイオリソースについても、長年定額の手数料にて提供して参りましたが、社会情勢の変化等の諸般の事情に鑑み、改定させていただくこととなりました。
■ 新手数料等、詳細は下記をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/inf/news/20080222.html
■ 手数料改定時刻
■ 日本時間2008年3月6日(木)17:00までに提供依頼をいただいたバイオリソー
スは、従来の手数料にて提供させていただきます。それ以降の提供依頼は、新し
い手数料にて提供させていただきます。

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ DNA マイクロアレイの進歩
■ マイクロアレイ技術は今でも進化しています。膨大なゲノムデータ、転写発現データをワンショットで解析するならDNA マイクロアレイですが、最近では遺伝子発現のセット化ができ、様々なネットワークを探索するツールが手に入ります。遺伝子発現だけでなく、遺伝子診断、創薬探索、クロマチン修飾などに大きな武器となってきています。DNA マイクロアレイでは最近Illumina 社はInfinium HD Human 1M-Duo (2サンプル/チップ)とHuman610-Quad (4サンプル/チップ)を製品化し2.3 x 10~6 SNPs をBead Chip として売り出しています。これらのSNPs は単一ヌクレオチドを今まで以上に感度よく検出でき、ノイズも少ないと評判です。本製品は全ゲノムマッピングとコピー数の変化の解析にも対応できます。Human Hap 550 Beadschip, Human610-Quad Beadchip は550,000のSNPs と60,000遺伝子マーカーに対応している。
■ Affimetrix 社のGene CHIP Human gene 1.0 ST Array は遺伝子の全領域の発現を、3’末端等の偏り無く解析可能である。最近ではMyGeneChipTM プログラムを公開し、植物や動物のゲノムのタイピングに使われ始めております。
■ Roche NimbleGen’s Nimble ChipTMMultiplez Arrays は一枚のスライドでハイブリダイズと4つのreplicative arrays を行なう事ができ、コスト的にもreasonable で有用であす。60 mer のオリゴと72,000のプローブで単一遺伝子に多重プローブ(3-7 probes) での検索が可能であり、全ゲノムをカバーしている大変使い勝手の良いアレイです。
■ Agilent Technologies とKreatch Biotechnology はオリゴマイクロアレイで比較ゲノム解析(Comparative Genomic Hybridization; CGH) に有用な製品を開発しました。フォルマリン固定パラフィン包埋サンプル (FFPE) からのDNA の解析が可能です。世界中のTissue Bank で保有しているFFPE は400 million と言われこれらのDNA 解析に力を発揮しそうです。
■ TrueLabeling-PicoAMP Kit は2round の増幅とantisense- (aRNA) あるいはcomplementary RNA (cRNA) を標的としてハイブリダイゼーションでゲノムを解析するアレイです。Agilent Gene Expression DNA Microarrays とかSuperArray Bioscience 社からのpathway-forcused Oligo GEArray と似ています。20細胞とか50pg (5細胞)の全RNAという微量なサンプルでもマイクロアレイに必要な標識cRNA を作製でき解析可能です。此の他 Affimetrix GeneChip, Illimina Expression BeadChip や他のMicroarray platforms 等に使用可能なmicrogram オーダーのビオチンーaRNA を作製できる唯一のRNA 増幅キットも市販されるようになりました(TargetAmp-2roundBiotin-aRNA amplification kit 3.0; EPICENTRE Biotechnology) 。
■ 本当にいろいろな改良がなされ、微量で多検体を解析できるツール、ゲノム解析用ツール等 本当に進化しております。我々も遺伝子評価と品質管理にこれらの機器を使いこなせるよう知識を柔軟にしておく必要があります(K.K.Y.)。

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 理研DNA Bank のオンラインカタログを見ていただくと、Relation という項目があります。そこには、その組換えウイルスやクローンを作ったもとになったクローンのカタログ番号が記載されています。これによって遺伝子材料のトレーサビリティーを保証するために導入しています。
■ 「トレーサビリティー」は、市場に流通する商品が販売されるまでの経路をたどる意味に使われていることが多いように思います。例えば郵便小包や宅配便の宛名用紙にはバーコードと記番号がついています。この記番号をその運送会社のホームページから検索すると、いま、その商品がどこまで配達されているかが分かります。当バンクでも活用しており、「もうそろそろ届いているはずだけど、どうなっているの?」という問い合わせに、「学務係では受け取っているようですよ」と、この記番号のおかげで返事をすることができるのです。
■ 一方、食の安全性への関心が高まり、この商品はどういう材料から作られ、それはどこで生産されたのかという情報が求められるようになってきました。何県産というだけでなく、生産者の名前まで分かるものもあります。食の分野では最近になって目立ってきましたが、こうしたことは最近考案されたものではなく、工業製品では以前から採用されていた仕組みです。一つの製品が出来上がるまでには様々な工程を経ます。いくつもの下請け工場が各工程を受け持つ場合でも、一つの工場で一貫生産している場合でも、どの過程で品質不良が発生したかを知ることは、製品全体の品質の向上にとって、とても重要なことです。
■ 同じことは研究分野でも言えます。例えば、ある遺伝子のcDNA を組込んだ組換えアデノウイルスがあったとします。それに組込まれたcDNA はおそらく何らかのクローニングベクター由来ですし、そのcDNA も何らかの細胞株由来のmRNA から合成されたものです。その細胞株も、多くの場合、どこからか手に入れたものです。それがマウス細胞であった場合、マウスの某という系統由来で、そのマウスはいずこかの動物施設で維持されていたはずです。
■ 数カ月かかって組換えアデノウイルスを構築し、いざ実験に使ってみたら思っていた結果とは違う結果になった。これはその遺伝子の機能の新しい側面を発見したのだろうか?自分の仮説が間違っていたのだろうか?それとも、その組換えウイルスに何らかの不具合があったのだろうか?まずは、ウエスタンブロッティングとノザンブロッティングで発現を調べてみる。どうやら問題はないらしい。つぎに、組込み遺伝子の配列を調べてみる。すると、一塩基だけ置換があるようだ。アミノ酸も変わるらしい。これは、組換えウイルスの増殖中に起きたのだろうか?そうだとしたら、別ロットの組換えウイルスを使えばすぐに再実験できる。もし、ウイルスに組込む前のcDNA に問題があったのなら、ウイルスの再構築になるから、ちょっと厄介。ところであのcDNA は、どこから手に入れたんだっけ?
■ 生物材料は、残念ながら、作製や増殖の過程で変異が入ってしまうことを避けることができません。いま、ここに持っているプラスミドに異常がなくても、大腸菌で増殖させる過程で変異がまったく入らないという保証はありません。安全側に倒して考えるなら、何らか変異が入っているはずと、用心して取り組むべきです。しかし、毎回、品質検査を厳格に行ってからでないと実験しないというのでは非現実的です。それよりは、異常が考えられる時に一段階遡ってやり直しができるという保証が大切です。
■ プラスミドから組換えウイルスを構築するときばかりではありません。遺伝子組換えマウスを作るときも同じ、いや、構築に年単位の時間が必要なことを考えると、組換えウイルス以上に一段階遡る保証は必要です。実験動物開発室に遺伝子組換えマウスの寄託をご検討中でしたら、その発現ベクターやターゲッティングベクターも同時に遺伝子材料開発室に寄託することもご検討ください(T.M) 。

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
dnabank@brc.riken.jp
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/
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2008.03.03



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