RDB_News

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■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加
■ S. pombe ORFeome クローンデータファイルの更新
■ 第13回日本遺伝子治療学会総会
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html
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■ 理研バイオリソースセンター(BRC)遺伝子材料開発室ならびに理研BRC微生物材料開発室(JCM)では、BRC-JCMに保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供準備を進めています。この度、利用者からの希望がありましたTreponema denticola JCM 8153ならびにBacillus licheniformis JCM 2505T由来ゲノムDNAを提供可能株として追加しました。今後も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象リソース数も徐々に増やしていく予定でおります。
■ RIKEN BRC-JCM で培養し、遺伝子材料開発室でDNAを調製したゲノムDNAです。提供単位は、培養ロット毎に異なっております。ご了承下さい。
■ RDB 6217
Organism: Treponema denticola Chan et al. 1993
Designations: Genomic DNA from Treponema denticola JCM 8153
Lot #: 070621
Shipped: Approx. 2 ug/vial
■ RDB 6219
Organism: Bacillus licheniformis (Weigmann 1898) Chester 1901
Designations: Genomic DNA from Bacillus licheniformis JCM 2505T
Lot #: 070621
Shipped: Approx. 10 ug/vial
■ RDB 5989
Organism: Thermus thermophilus Williams et al. 1995
Designations: Genomic DNA from Thermus thermophilus JCM 10941T
Lot #: 060726
Shipped: Approx. 5 ug/vial
■ RDB 5990
Organism: Pyrococcus horikoshii Gonzalez et al. 1999
Designations: Genomic DNA from Pyrococcus horikoshii JCM 9974T
Lot #: 060728
Shipped: Approx. 2 ug/vial
■ 国内提供手数料は学術研究機関の場合は 1 バイアルにつき 9,450円 (送料, 消費税込み)、学術研究機関以外の場合は 12,285 円 (同) です。なお、「学術研究機関」および「学術研究機関以外」の区分は、文部科学省の定める「科学研究費補助金取扱規程」中の「研究機関」の定義に基づいております。
■ 微生物DNA提供の申込先およびお問合せ先は下記をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

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■■■ S. pombe ORFeome クローンデータファイルの更新 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/yoshidayeast_ja.html
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■ 理研吉田化学遺伝学研究室、吉田稔先生より寄託していただいた酵母 (Schizosaccharomyces pombe) ORFクローンセットのデータファイルとベクターセットの配列ファイルをアップロードしました。

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■■■ 第13回日本遺伝子治療学会総会 ■■■
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■ 第13回日本遺伝子治療学会総会が、2007年6月28日~30日に、愛知県がんセンターにおいて開催され、理研バイオリソースセンター・遺伝子材料開発室は細胞材料開発室、実験動物開発室と合同でパネル展示を行いました。「Technical notes 」と「組換えアデノウイルス作製マニュアル~ 完全長ゲノム導入法 ~」のマニュアル集も好評で、それぞれ100部を準備しましたが、ほぼ全て配布しました。ありがとうございました。
第13回日本遺伝子治療学会総会
会 期:2007年6月28日(木)~30日(土)
会 場:愛知県がんセンター

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 平成19年6月28日から30日まで名古屋市の愛知県がんセンター国際医学交流センターで行われた第13回日本遺伝子治療学会総会に参加しました。そして教育セミナーでの講演と展示ブースでのウイルスリソースの宣伝で組換えウイルスバンクの紹介をいたしました。
■ この学会は以前より公用語は英語を基本としており、プログラムも発表も英語で国際色が強い学会であり、規模は小さいのですが、国内外からの参加者も多く大変ユニークな学会です。私たちの組換えウイルスバンクもユーザーのお陰で順調な提供の伸びを示してきました。ただ、分譲申込者は海外の研究者が多いので、もう少し国内の研究者にも利用していただく方策を考えなくてはいけません。「使われてなんぼ?」の世界ですので、新しい施策を練らなくてはと考えております。
■ その大会の中の質問は、実験手法はもとより法律から知的財産権まで多岐に渡りました。組換えウイルスの実験は例外なく全て大臣確認が必要であるという「誤解」もありました。これは、古い組換えDNA実験指針の頃に組換えウイルス実験が基準外実験として国の指導の下に実施する実験と定められていた事をいまだに引きずっているための誤解と思います。遺伝子組換え生物等規制法の下では、各機関の責任が強化され、組換え実験に対する各機関の責任が重くなりました。クローンのやり取りには多くの大学でMTA の取交わしが必要になりました。当バンクにクローンを寄託していただくときのデータシートへのクローン情報は記入する事項も多く、しかも複雑でいろいろな苦情も寄せられます。もし、ご不明の場合はぜひ一度遺伝子材料開発室の分譲係へご連絡して頂けますと幸いです。少しでもお助けになればと考えております。本当にデータシートへのクローン情報の記入は大変で、時間を要します。でも、そのクローンが多くの研究者に試用されるためには大切な情報となります。ご記入がご面倒な場合には発表論文と制限酵素地図をご連絡頂けますとこちらでデータシートを作成してご判断を仰ぐことも可能です。是非皆様の貴重な遺伝子を多くの研究者に使用していただき、その遺伝子を世界に知らしめることがひいては皆様の研究の進展につながる事をご理解頂ければと思います。
■ 技術部門でも私たちの研究室から出しているプロトコール集に掲載されているクロマチン沈降の実験方法に関する質問がありました。昔から、ChIP assay が出始めた頃よく思ったものです。ChIP で増幅したDNA の塩基配列をきめ、しかもそれに結合するタンパク質やリクルートされるタンパク質の一群を一度に同定できればもっとより多くの情報が得られるのではと?現在ChIP-chip とかGenome tiling array とかいわれる方法論からChIP sequence という方法論まで出てきており、ハイスループットで配列を決定しそれをゲノム上にマップすることが可能となってきました(Science 316, 1497, 2007)。あとは、蛋白解析もすぐに解決され、一度にすべてを解析可能となる時代がすぐ其処まできております。技術開発がリソースの質を決める事を実感した大会でした。(K.K.Y.)

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 安全保障貿易管理の第3回です。そろそろDNA を輸出する話に戻したいと思います。
■ 輸出の際に、それではどうすればいいのか? DNA の溶液なのでもはや生物ではないという観点から、「遺伝子組換え生物等規制法」も[カルタヘナ条約」も対象外です。「検疫」は、もはや生物ではないが生物由来であることから、このDNA の安全性を宣言する文書があるほうがいいでしょう。残るは「安全保障輸出」です。安全保障貿易管理のホームページ(http://www.meti.go.jp/policy/anpo/)」を参照します。
■ 「輸出をする際に、事前に許可が必要な場合があります」というところを見てますと、「輸出される貨物が核兵器をはじめとする兵器などの開発や製造、使用、貯蔵に用いられるおそれがあるかどうかを見定めるため」許可が必要であると書かれています。許可が必要であるかどうかを見定めるために、<用途と相手(キャッチオール規制の観点)>と<そのものが何であるか(リスト規制の観点)>を確認しなければいけません。リスト規制対象は、「輸出貿易管理令」の「別表第1」に列記されています。これに基づき、輸出貨物や提供技術が「リスト規制品目、技術」であるかないかの判定を確実に行うことが重要です。試料や技術の提供先が研究者や研究機関であるというだけでは「規制対象外」にはなりません。
■ さあ、いよいよDNA を送るぞ。ここまで、キャッチオール規制の観点から、用途、相手国および外国ユーザーリストに該当するかどうかを調べました。リスト規制の観点からこれから輸出しようとするDNA が規制の対象かどうかを調べました。
■ それで、次に何をすべきでしょうか?<対象かどうかを調べた>のですから、次に<判断>を下すことになりますが、ここから先は、実務上の話になります。一般論ではなく、ご所属の機関の規程に従うことになりますので、所属機関の事務担当者にご相談ください。理化学研究所では規程を設けて対応しています。ご所属の機関にも経済産業省ならびに文部科学省の通達を受けて、同様の規程が設けられているはずです。
■ 誤解があるといけないのであえて書きますが、組換え体として遺伝子を輸出する場合にも「安全保障貿易管理」は適用されます。組換え体として輸出するなら、遺伝子としての「安全保障貿易管理」の側面、組換え体としての「遺伝子組換え生物等規制法」の側面、生物材料としての「検疫」の側面のそれぞれに対応した書類の整備が必要です。(T.M.)
参考:
経済産業省安保HP ホームページ
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/
関係法令ダウンロードコーナー
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/kanri/kankei-horei/download/main.html

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
dnabank@brc.riken.jp
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/
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2007.07.09



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