RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)

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RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/news.html
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購読の中止は、末尾の「メールニュースの配信について」をご覧下さい。
個人情報の取扱いについては、下記に詳細がありますので、ぜひ、御一読ください。
https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/inform.shtml

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■ 「組換えアデノウイルスの取扱いに関する技術研修」のお知らせ
■ 特許情報 – 提供リソースを用いた成果
■ クローン検索
■ 学会参加報告
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 「組換えアデノウイルスの取扱いに関する技術研修」のお知らせ ■■■
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■ 理研筑波研究所バイオリソースセンター遺伝子材料開発室では、本年度も組換えアデノウイルス取扱い研修を実施いたします。
■ この研修では「組換えアデノウイルス」について、シャトルベクターから組換えアデノウイルスに変換する技術、組換えアデノウイルスの精製ならびに、ウイルスの取扱い技術の基礎的な実習を行います。
募 集 期 間 :平成18年7月12日(水)~ 8月8日(火)
実 施 期 間 :平成18年9月6日(水)~ 9月8日(金) (3日間)
■ 受講対象者は、動物培養細胞へのプラスミド等を用いた遺伝子導入実験に習熟し、プラスミド等の発現ベクター構築技術も必須です。また、アデノウイルス利用技術拠点を担う方をといたします。修得した技術を大学等で広めて下さい。
■ 下記マニュアルをテキストに用います。お申し込みを検討される際に、利用可能な技術であるかどうかをご確認下さい。
「組換えアデノウイルス作製マニュアル~クローン化ゲノム導入法~」
€誥tp://www.brc.riken.jp/lab/dna/rvd/SOP/Adv/adenovirus3.pdf
■ 詳細は下記をご覧下さい。
研修事業と問合せ先
https://www.brc.riken.jp/inf/kensyu/index.shtml
「組換えアデノウイルス」研修詳細
https://www.brc.riken.jp/inf/kensyu/dna.shtml

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■■■ 特許情報 – 提供リソースを用いた成果 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/reflist.html
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■ 「利用者による成果」に公開特許情報を追加しました。提供された当バンクリソースを用いて利用者が申請した特許のうち、特許電子図書館データベースに公開されているものをリストしています。
□血中コレステロール濃度低下作用物質(特開2006-28085)
□増殖制御型組換えアデノウイルス ベクターの効率的な作製方法及びその作製用キット(特開2005-46101)
□アデノウイルス 吸着架橋剤(特開2003-192700)
□アデノウイルス ベクター(特開2002-330789)
□組換えアデノウイルス 、該組換えウイルスゲノムを有しているコスミドベクター及び該組換えウイルスにより感染された動物細胞(特開平11-332560)
□p21Cip1リウマチ治療剤(WO01/021793)
□Use of geldanamycin and related compounds for treatment of fibrogenic disorders.(U.S. Patent Number: 6,887,853.)
■ 当バンクでは全てを把握しているわけではありませんので、当バンクリソースを用いて申請した特許のうち公開されたものがありましたら、ご連絡下さい。また、提供リソースを用いて発表された論文に関しても引き続きよろしくお願いいたします。

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■■■ クローン検索 ■■■
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■ RIKEN DNA Bank に寄託されたクローンのRefSeq, DDBJ, UniGeneのそれぞれのID での検索が可能になりました。検索プログラムは情報解析技術室の協力により運用しています。

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■■■ 学会参加報告 ■■■
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■ 第20回国際生化学・分子物学会議、第11回アジア・オセアニア生化学者・分子生物学者連合会議、第79回日本生化学会大会、第29回日本分子生物学会年会参加報告が掲載されました。
https://www.brc.riken.jp/lab/dbs/sympo/iubmb06.html

■ 日本遺伝学会第78回大会が、2006年9月25日(月)から27日(水)まで、つくば国際会議場(つくば市竹園2-20-3)において開催されます。NBRPのシンポジウムとしまして、理研BRCからも事業内容の紹介を行いますので、皆様、ご参加ください。また、会期中、パネル展示を実施しています。
【シンポジウム】
2006年9月27日(水) 午後 13時~18時
「ナショナルバイオリソース・プロジェクト シンポジウム:これまでの成果と今後の展望」
オーガナイザー:小林正智(理研BRC)、吉木淳(理研BRC)
大会ホームページはこちら
https://www.brc.riken.jp/iden78/

■ 第65回日本癌学会学術総会では、理研BRCからも広報活動の一環として事業内容のパネル展示による紹介を行いますので、皆様、ご参加ください。
【パネル展示】
期間:2006年9月28日(木)・29日(金)・30日(土)
場所:パシフィコ横浜(会議センター、展示ホールA・B)
学術総会ホームページはこちら
http://accessbrain.co.jp/cancer2006/

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 今回はRNAi の事についての個人的な思いです。読み流して下さい。
■ RNAi だけでなくshRNA, siRNA, miRNA 等の手法は今や分子生物学の領域では必要不可欠の実験手法であり、Knock down 法として知られ確固とした地位を築き上げている。論文発表する際にKnock out 個体が利用できなければレビユーアーから追加実験として要求されるのがこのknock down 実験である。でもその分子作用機序となると残念ながら未だ不明の点が多い。RNAi では遺伝学が使えるのでまだ、Antisense RNA やRibozymeやAntigene よりはましかも知れないけれど? しかし生化学的な解析研究がきわめて遅れているのは事実である。でも世の中ではいち早く創薬開発のターゲットとして注目され各企業が市場公開を目指しFDA の認可を得ようとしのぎを削っている。作用機序も不明のまま、また市場に出回るのかと思うと、個人的にはアンチセンス法やリボザイム法の時と同様、大変危惧している。
■ この手法の最大の問題点は “Off-target” 効果である。インターフェロン反応を誘起し、RNase L による非特異的RNA 分解、toll-like receptor、retinoic acid-inducible gene-1 protein の活性化 による宿主に不利益な免疫反応などの副作用が数々報告されている。最近では過剰の恒常的RNAi投与はマウスを致死にいたらせしめるという報告もなされた。機構的には過剰のshRNA がexportin-5を飽和状態にしてしまいpre-mRNA のexport を阻止してしまう為にマウスは死ぬらしいが? 生体内のdsRNA を感知するホメオスタシスセンサーが存在しているのであろうか? 人工的に導入したsh/mi/siRNA による過剰なdsRNA形成によって本来のRNAi 機能に破綻をきたし、死を招くのであろうか? その境界域を見つける事が成功の鍵を握るのかもしれない?
■ sh/mi/siRNA によるsiRNA 効果は配列特異的であるのにdsRNA 認識はRNA 配列に非特異的?である事も機序解明を難しくしている。さらにRISC という良くわからない複合体の生化学的解析が十分になされていない点である。現在判明している分子群の他に、未定の分子を見落としている可能性も否定できない。やはり、作用機序を明らかにしてから創薬とすべきで基礎研究者からみれば順序は逆である(薬屋さんはそうは言わないが?)。効用優先だけでは、夢の核酸医薬品開発はいつまでたっても実現しないと悲観的にさえなる。
■ それでも世の中はnon-coding RNA、antisense RNA やmiRNA の新しい機能が見つかったとか?でフィーバーである。 HSV-1の抗アポトーシス作用とか、DNA エピジエネシス修飾とか、最近は記憶の維持とか、性決定にまでmiRNA が見つかり、生命現象はRNA ワールドだらけである。RNA が進化や生物の多様性を決めているのかも?でも、面白いのは良いのですが? Input とOutput だけの実験だけでは本当の意味での解決にならないかもしれない。 これら機能性RNA と分子会合する蛋白質複合体等をきちっと生化学的に単離同定し、再構成していく事が「夢の医薬品開発」には実は回り道のようでも結局 近道ではないでしょうか? RNA splicing やRNA processing のように分子機序がヒントかもしれません。
■ 「RNA Chaperon」が同定される日を夢見て! KKY の妄想でした。 (K.K.Y.)

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 今月から、RIKEN DNA Bank に寄託されたクローンのRefSeq, DDBJ, UniGeneのそれぞれのID での検索が可能になりました。
■ DDBJ 欄にはINSD (the International Nucleotide Sequence Databases; 国際塩基配列データベース)のアクセッション番号が格納されています。INSD とは、全世界の研究者が実験によって決定した塩基配列データ、または、その TPA データを DDBJ、EMBL、GenBank の三大データバンクが、三者間で定めたデータ構築規範に沿って収集・編集した上で、提供するものを指します。 INSD は研究者から直接送付された DNA 塩基配列データを編集することによって作成されており、データの単位である「エントリ」の集合として構成されています。 INSD が正式に発行するアクセッション番号は、このようなエントリに対して、固有な ID として割り振られます。INSD のアクセッション番号フォーマットは、アルファベット1文字+5桁の数字 (例 A12345) または、アルファベット2文字+6桁の数字 (例 AB123456) で構成されています。アクセッション番号と混同されるものとして、NCBI RefSeq などで使用される NC_123456, NM_123456;NCBI UniGeneで使用されるHs.1234, Mm.12345 があります。(以上、DDBJ のホームページ (http://www.ddbj.nig.ac.jp/)参照)
■ RefSeq 欄には、NM_ で始まるID 即ちNCBI のReference Sequence project (RefSeq) などのデータベースで使用されるID が格納されています。いうなればmRNA の背番号です。スプライシングによるmRNA のアイソフォームがある場合、そのそれぞれのアイソフォームにID がついています。
■ UniGene のID は、NCBI の UniGene DB のクラスタリンググループに付けられた番号で、いうなれば遺伝子につけられた背番号です。NCBI のホームページによると、転写物を基本に遺伝子座をデータベース化しています。NCBI のRefSeq には、別のidentifyer としてGeneID がありますが、遺伝子の情報をゲノムマップ、配列、発現パターン、蛋白質構造、機能、ホモロジーデータを包含するデータととらえて背番号を割振っているそうです。ただし、Gene ID ということばは一般名詞的でもあり、どのデータベースのGene ID と言わないと、どのデータのことを指しているのか分からなくなる恐れがあります。
■ いずれのデータも、遺伝子材料開発室が人力でクローンのカタログデータとして入力しています。クローンはあるのに入力が追い付いていない、ということもありますので、検索して期待通りの結果が得られない時は、ご遠慮なくメールにてお問い合わせ下さい。 (T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
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2006.07.29



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