メールニュース No. 107

*********************************************************
RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News
*********************************************************

理研BRC・DNA Bankよりメールニュースを配信いたします。

:: CONTENT ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◆ 日本農芸化学会2015年度大会 出展のお知らせ
◆ Pick Up リソース ~当室が提供するオススメリソース~
◆ Focused リソース ~当室リソースを用いた成果論文~
◆ DNA BankとKEGGがリンクしました
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

=======================================================
◆ 日本農芸化学会2015年度大会 出展のお知らせ
=======================================================
■ 下記の日程で、日本農芸化学会2015年度大会が開催されます。理研BRCでは「ナショナルバイオリソースプロジェクトNBRP展示コーナー」に出展いたします。
実験方法やリソースの選び方等のご質問にお答えいたします。お立ち寄り下さい。

会 期: 2015年3月27日(金)~29日(日)
会 場: 岡山大学 津島キャンパス 清水記念体育館・第二体育館
日本農芸化学会2015年度大会

=======================================================
◆ Pick Up リソース ~当室が提供するオススメリソース~
=======================================================
■ AID system
タンパク質の機能を調べるために、薬剤による遺伝子発現制御や遺伝子のノックアウト・ノックダウンは、広く実施されています。今回は、国立遺伝学研究所の鐘巻 将人先生の開発した新たな制御方法「Auxin Inducible Degron(AID)system」を紹介します。
AID systemの特徴は、植物ホルモン「オーキシン」の添加を引き金にタンパク質分解を誘導することです。

発現ベクターによりDegron(タンパク質分解を誘発する領域)と融合するタンパク質を発現させておき、オーキシンを添加することにより、わずか15 – 30分で目的タンパクの発現量の変化を確認できます。

開発者である国立遺伝学研究所の鐘巻 将人先生による開発秘話や詳しい説明は、国立遺伝学研究所 教員インタビューからご覧ください。

■ 提供リソースについて
pNHK60 (cat# RDB08468)
AIDと融合したGFPを発現します。原著論文(1)ではオーキシン添加によるGFP蛍光の減衰を示威するために使っています。

pMK106 (cat# RDB08469)
N末端側にAIDを融合した染色体制御因子CENP-Hを発現します。

pMK107 (cat# RDB08470)
C末端側にAIDを融合したCENP-Hを発現します。

原著論文では、ニワトリ由来のDT40細胞へのAID systemの導入によって、オーキシン存在下においてCENP-Hの発現抑制が約30分で確認され、FACS解析によって3時間以内に細胞周期の停止が開始されるのに対して、従来の方法(Tet-Offsystem)だと細胞周期の停止が開始されるまで36時間程度かかることから短時間に効率よく標的タンパク質を除去できることが明らかになっています。

原著論文
1. Nishimura, K., et al. An auxin-based degron system for the rapid depletion of proteins in nonplant cells. Nat. Methods., 6, 917-922, 2009.
2. Kanemaki, M.T. Frontiers of protein expression control with conditional degrons. Eur. J. Physiol., 465, 419-425, 2013.

=======================================================
◆ Focused リソース ~当室リソースを用いた成果論文~
=======================================================
■ がん細胞特異的なHSV-TK発現ベクターの構築
細胞毒性を持つHSV-TK遺伝子をがん細胞特異的に発現させるため、本プラスミドの HSV-TK 遺伝子をAFRプロモーター下流にサブクローニングし、さらにアデノウイルスに組み込んで使用しました。また、コントロールとしてE2F1プロモーター下流にもHSV-TK 遺伝子をサブクローニングして使用しました。

・原著論文
Kurayoshi K, et al., Biochem Biophys Res Commun. 450(1):240-246 (2014).

・使用されたリソース
pTK5 (cat# RDB01027)

=======================================================
◆ DNA BankとKEGGがリンクしました
=======================================================
■ KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)と当室リソースリストのリンクが、五斗 進 先生(京都大学化学研究所)のご協力により、LinkDB に追加されました。

KEGGのデータを利用し、ヒト約16,000遺伝子、マウス約11,000遺伝子、分裂酵母約5,000遺伝子のリソースを検索できます。生体内シグナル、遺伝子間相互作用や、ヒト・マウス・分裂酵母間の相同遺伝子に関連付けした検索もできます。

KEGGでのリソース検索の入り口を下記ウェブページに設定いたしました。活発なご利用をお待ちいたしております。

検索手順はこちら

2015.03.18



コメントは受け付けていません。