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RIKEN BioResource Research Center DNA Bank Mail News No. 129 (2023.06.05)
[hp] https://dna.brc.riken.jp/ja/news_archives/mail
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1. 注目リソース
2. 学会展示情報
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1. 注目リソース
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様々な生物に由来する高輝度発光ルシフェラーゼや発光タンパク質
自然界には、ホタルや海洋生物のように自ら発光する生物がたくさん存在しています。発光現象は、基質の酸化反応によるものですが、ルシフェラーゼ・レポーターアッセイに代表されるように、発光を活用した研究手法が、広く普及しています。
レポータータンパク質として用いられる発光酵素として、北アメリカ産ホタル(Photinus pyralis)のルシフェラーゼがよく知られていますが、他にも近年までに、カイアシ類(プランクトン)やエビなどの海洋生物に由来する様々な発光酵素が見出されており、分泌型なので細胞外で使用できるものや、人工的に設計された発光酵素の開発なども行われています。これらの中には、ホタル由来のレポータータンパク質と比較して、分子量が小さいため、発光酵素に結合したタンパク質の機能に影響を与えにくい特徴を有しているものもあり、生細胞内で標的タンパク質の動態などをリアルタイムに検出できる発光イメージング研究などに活用されています。
JNC株式会社(以下、JNC社) は、生物発光に関する長年にわたる研究成果として、細胞からのインスリン分泌を発光イメージング方法によって観察し、細胞全体におけるエキソサイトーシス部位の局在を特定しうること、細胞からのインスリン分泌量を定量しうることなどを見いだしています(Suzuki, T. et al. Anal. Bichem., 2011., Suzuki, T. et al. Plos One., 2011)。JNC社では、研究過程で開発した生物発光酵素のプラスミドを販売しておりましたが、この度、カイアシ類のガウシア・プリンセップス(Gaussia princeps)由来やヒオドシエビ(Oplophorus gracilirostris)由来のルシフェラーゼやオワンクラゲ(Aequorea victoria)由来のイクオリンなどの発光タンパク質を含む27種類のプラスミドDNAをご寄託していただくことになりました。当室が引き継いで、ご提供いたします。
また、産業技術総合研究所の金 誠培先生の研究グループは、カイアシ類由来の発光酵素を元に、最適なアミノ酸配列を人為的に改良・改善することで、元々の発光酵素より最大で100倍の高輝度でありながら、発光持続性のある人工生物発光酵素(Artificial luciferase; ALuc)を開発しました(Kim, S.B. et al. Bioconjug. Chem., 2013)。この度、2種類のALucプラスミドをご寄託していただきました。
その他、哺乳動物の組織で光の透過性の高い赤色発光ルシフェラーゼ(Akaluc)、環境要因に作用されにくいルシフェラーゼ(PmatLuc1やPsagRE1Lucなど)などもご提供できます。研究用途に合わせてお選びください。皆様の活発なご利用をお待ちしております。
▼ 論文
Inouye, S. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 82 (10): 3154-3158, 1985. PMID 3858813
Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 109: 47-54, 2015. PMID 25665506
Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 52: 66-73, 2007. PMID 16997571
Inouye, S. FEBS Lett. 347 (2-3): 163-168, 1994. PMID 8033996
Inouye, S. et al. FEBS Lett. 315 (3): 343-346, 1993. PMID 8422928
Inouye, S. J. Biochem. 143 (5):711-717, 2008. PMID 18296715
Inouye, S. et al. FEBS Lett. 341 (2-3): 277-280, 1994. PMID 8137953
Inouye, S. et al. FEBS Lett. 481 (1): 19-25, 2000. PMID 10984608
Inouye, S. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 445 (1): 157-162, 2014. PMID 24491536
Inouye, S. et al. Biochem. Biosci. Biotechnol. 75 (3): 568-571, 2011. PMID 21389603
Inouye, S. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 376 (3): 448-453, 2008. PMID 18789309
Suzuki, T. et al. Anal. Bichem. 415 (2): 182-189, 2011. PMID 21477579
Suzuki, T. et al. Plos One. 6 (9): e25243, 2011. PMID 21969874
Inouye, S. et al. Protein Expr. Purif. 128: 93-100, 2016. PMID 27506135
Inouye, S. & Sahara, Y. Protein Expr. Purif. 53 (2): 384-389, 2007. PMID 17275329
Kim, S.B. et al. Bioconjug. Chem. 24 (12): 2067-2075, 2013. PMID 24237362
Kim, S.B. et al. ACS Comb. Sci. 19 (9): 594-599, 2017. PMID 28742969
人為的に設計・開発した生物発光酵素(ALuc)
(産業技術総合研究所プレスリリース 2013.11.26)
人工生物発光酵素(ALucR)に選択的に発光する基質を開発
(産業技術総合研究所プレスリリース 2017.12.22)
▼ リソース情報
JNC CORPORATION’s Resource
URL: https://dnaconda.riken.jp/search/depositor/dep104979.html
Sung-Bae Kim’s Resource
URL: https://dnaconda.riken.jp/search/depositor/dep100041.html
高発光ルシフェラーゼ
URL: https://dna.brc.riken.jp/ja/gene_analysis/inf0039j
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2. 学会展示情報
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下記の日程で、ブースを出展いたします。学会にご参加の折には、ブースにお立ち寄りいただきますようお願いいたします。お探しの遺伝子材料がございましたらどうぞお気軽にご相談ください。最適な遺伝子材料をご提案いたします。
日本ゲノム編集学会 第8回大会
会 期:2023年6月6日(火) ~ 6月8日(木)
会 場:タワーホール船堀1F 展示ホール
URL: https://www2.aeplan.co.jp/ge2023/
第50回日本毒性学会学術年会
会 期:2023年6月19日(月) ~ 6月21日(水)
会 場:パシフィコ横浜 会議センター3F NBRPブース No.86
URL: https://jsot2023.jp/index.html
第75回日本細胞生物学会大会
会 期:2023年6月28日(水) ~ 6月30日(金)
会 場:奈良県コンベンションセンター1F コンベンションホール
URL: https://synonis.com/jscb2023
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理化学研究所バイオリソース研究センター
遺伝子材料開発室 (DNA Bank)
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2023.06.05.