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RIKEN BioResource Research Center DNA Bank Mail News No. 120 (2021.06.15)
[hp] https://dna.brc.riken.jp/ja/news_archives/mail
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1. 注目リソース
2. 新規公開リソース
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1. 注目リソース
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◆ マイトファジー可視化蛍光センサー mito-SRAI ◆
マイトファジーは、損傷したミトコンドリアを選択的に分解するオートファジーであり、不良なミトコンドリアを除去する細胞内機構です。
理化学研究所脳神経科学研究センターの宮脇敦史先生、片山博幸先生と順天堂大学の日置寛之先生らの研究グループは、生きた細胞のみならず、固定標本上においてもマイトファジーを定量的に可視化できる蛍光センサーであるmito-SRAIを開発しました。mito-SRAIは、3つの構成要素:ミトコンドリア移行シグナル、リソソーム内の酸やタンパク質分解酵素に耐性を持つシアン色蛍光タンパク質TOLLES、pHに応じて蛍光強度が変わる黄色蛍光タンパク質YPetからできています。
今回開発されたmito-SRAIは、固定標本での観察でもシグナルが消失しないように工夫されおり、創薬アッセイなど膨大な量の固定細胞標本を観察する実験や、固定組織標本を観察することが多い動物実験にも対応できます。培養細胞などに発現させることで、ミトコンドリア内部にmito-SRAIが特異的に局在し、TOLLESとYPetの2波長の蛍光強度比によってマイトファジーを観察できます
(Katayama, H. et al., Cell, 181 (5): 1176-1187, 2020. PMID: 32437660)。
▼ リソース情報
mito-SRAI_pcDNA3 (cat# RDB18223)
https://brc.riken.jp/dna/GSB0021e
ミトコンドリアのマイトファジーを可視化する蛍光技術
(理化学研究所プレスリリース 2020.5.21)
https://www.riken.jp/press/2020/20200521_1/index.html
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2. 新規公開リソース
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下記の遺伝子材料が寄託され、新たに公開しました。皆様のご利用をお待ちしております。
◆ 浜松医科大学 医学部 岩城 孝行 先生
Nanobody(単鎖抗体)を大腸菌で発現させるためのベクター
Iwaki, T. et al., Protein Expr. Purif., 170: 105607, 2020. PMID 32062022
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/61150
◆ 名古屋市立大学 薬学研究科 湯浅 博昭 先生
トランスポーターPCFT発現クローン
Nakai, Y. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 322 (2): 469-476, 2007.
PMID 17475902
Inoue, K. et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol., 294 (3): G660-668, 2008. PMID 18174275
Yamashiro, T. et al., Sci. Rep., 9 (1): 18105, 2019. PMID 31792273
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/61151
https://rrc.nbrp.jp/references/61152
https://rrc.nbrp.jp/references/61153
◆ 香川大学 総合生命科学研究センター 西 望 先生
Galectin大腸菌用発現ベクター
Nishi, N. Glycoforum, 23 (5), A15, 2020.
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/61020
https://brc.riken.jp/dna/GSB0048e
◆ 実験動物中央研究所 マーモセット医学生物学研究部 渡部 聡朗 先生
in vitro transcriptionのためのP53ドミナントネガティブ型クローン
Watanabe, T. et al., Genes Cells, 24 (7): 473-484, 2019. PMID 31099158
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/62517
◆ 国立遺伝学研究所 分子細胞工学研究室 鐘巻 将人 先生
オーキシンデグロン法(AIDシステム)クローン
Yesbolatova, A. et al., Nat. Commun., 11 (1): 5701, 2020. PMID 33177522
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/63909
https://brc.riken.jp/dna/GSB0016j
◆ 千葉大学大学院薬学研究院 青木 重樹 先生
ミトコンドリアを標的としたKeima-Redをコードする発現ベクター
Shiratori, R. et al., Sci. Rep., 9 (1): 18699, 2019. PMID 31822748
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/62699
◆ 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 宮崎 健太郎 先生
クローニングベクター (カウンターセレクション)
Miyazaki, K. et al., Biotechniques 58 (2): 86-88 (2015). PMID 25652032
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/58474
https://brc.riken.jp/dna/GRP0048j
◆ 新潟大学大学院 医歯学総合研究科 飯岡 英和 先生
Crb3、並びにFGFR発現ベクター
Iioka, H. et al., Int. J. Cancer, 145 (10): 2740-2753, 2019.
PMID 30980524
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/62682
◆ 理化学研究所生命機能科学研究センター 岩城 光宏 先生
ACTN1、並びにMYH2のサブフラグメントS1発現ベクター
Fujita, K. et al., Commun. Biol., 2: 437, 2019. PMID 31799438
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/62697
◆ 東京大学医科学研究所 山田 泰広 先生
ピューロマイシン耐性遺伝子を持つCas9発現ベクター
Sakakura, M. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 519 (4):
705-713, 2019. PMID 31543342
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/63313
◆ 株式会社医学生物学研究所 (MBL社)
蛍光タンパク質クローンCoral Hue(TM)
▼ リソースと文献情報
[hp] https://dna.brc.riken.jp/ja/news_archives/tec20200928_01ja
◆ 東北大学大学院生命科学研究科 福田 光則 先生
Rabファミリータンパク質発現ベクター
Oguchi, M. E. et al., J. Biol. Chem., 295 (36): 12674-12685, 2020.
PMID 32669361
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/63318
◆ 山形大学 理学部 田村 康 先生
オルガネラ同士の相互作用部位を生細胞内で可視化できるsplit-GFP クローン
Kakimoto Y. et al., Sci. Rep., 8 (1): 6175, 2018. PMID 29670150
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/53900
◆ 関西学院大学 理工学部 今岡 進 先生
核-細胞質間輸送に関連する遺伝子群の発現ベクター
Oguro, A. et al., Sci. Rep., 9 (1): 15296, 2019. PMID 31653923
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/63319
◆ 千葉大学大学院 理学研究科 板倉 英祐 先生
Lysosome活性をモニターする蛍光タンパク質
Ishii, S. et al., Sci. Rep., 9 (1): 11635, 2019. PMID 31406169
▼ リソースと文献情報
https://rrc.nbrp.jp/references/63488
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2021.06.15.