平成17年3月
ナショナルバイオリソースプロジェクトの評価報告が本年3月に行われ、本事業は特に優れた成果を挙げていると高く評価された。 以下に、その評価内容を示す。
・総評 (グループの成果・進捗等に対する評価を含む)
体制作りもよく、情報発信も積極かつ適切に実施されているなど活動状況も良い。 安定的な事業の実施にとって重要な段階にあり、その点からみて順調と言える。 今後、益々重要性を増すリソースであり、そのことを十分に自覚して、この課題に前向きかつ実質的に取り組んでいることも評価でき、今後も期待できる。 総体的に、本事業は特に優れた成果をあげていると高く評価できる。
・収集・保存整備事業に対する評価
目標以上の実績があげられており、プロジェクトは順調に進展していると高く評価できる。
我が国に特徴ある資源を収集する点でも期待できる。 平成17年度以降の目標、収集・保存数ともに適切と判断する。 データ表示に関しては、動物と微生物を分けて明示して欲しい。
・提供事業に対する評価
目標以上の実績があげられており、プロジェクトは順調に進展していると高く評価できる。
特に問題はない。
・知的財産権の確保、MTAの整備に関する評価及び情報発信、他グループ等との連携等に関する評価 知的財産権の普及についても努力されている。 MTAについても整備されている。 ホームページの開設、パンフレット・ポスターの作成、学会への積極的な参加等、成果の公開、情報発信、連携も順調に行われている。ただし、知的財産権の確保・MTAの整備に関して報告シートでも触れているが、なお外国における事情等を踏まえての今後の検討を必要とする課題が多いので、今後の展開を見守りたい。
・平成15年度評価委員会での指摘事項への対応
十分に対応しており、問題はない。
・今後2年間の事業計画に対する評価 (特に平成17年度の事業計画に着目して)
数値目標も的確で、特に問題はない。 所要額についても適当である。
・当該リソース整備事業に対する意見
この種のリソース整備事業は、決して国内の研究機関において各々が競争するような性質のものではなく、日本国全体として協調的にかつ長期的に推進する必要がある。国際的なコンソーシアムにおける日本の役割を明らかにし、目標を設定し、国際的にも国内においても貢献できるように推進する必要がある。MTAの整備については今後とも努力されたい。他のプログラムに対して適切なモデルを提供することになるので、期待したい。また、事業の質を今後とも高く維持するために、単にサービス業務に止まることなく、研究面においても前向きに頑張って欲しい。両者は車の両輪の如き関係のあるものと判断する。