RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)

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RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/news.html
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■ 理研設立記念日のお知らせ
■ 理研バイオリソースセンターからのお知らせ
■ S. pombe ORF クローンの専用書式
■ 学会参加報告
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 理研設立記念日のお知らせ ■■■
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■ 10月23日(月)は設立記念日のため業務は終日停止致します。ご迷惑をおかけ致しますが、ご了承下さい。

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■■■ 理研バイオリソースセンターからのお知らせ ■■■
https://www.brc.riken.jp/inf/news/
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■ 「お知らせ」には、理研バイオリソースセンターが開催するセミナーのお知らせ、開発室ならびに開発チームの人材募集などが掲載されています。現在は、「動物変異動態解析技術開発チーム開発研究員募集」、「遺伝子材料開発室ならびに微生物材料開発室パートタイマー募集」などが掲載されています。

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■■■ S. pombe ORF クローンの専用書式 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/yoshidayeast_ja.html
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■ 理研吉田化学遺伝学研究室、吉田稔先生より寄託していただいた、酵母 (Schizosaccharomyces pombe) ORF クローン約4800株のgenomic DNA クローンの提供を開始しております。この度、S. pombe ORF クローン専用の書式C (MTA) を準備いたしました。この書式には、クローン提供の際に書式に記載する提供制限が記入済みです。どうぞご利用下さい。

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■■■ 学会参加報告 ■■■
https://www.brc.riken.jp/inf/news/
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■ 日本遺伝学会第78回大会が、2006年9月25日(月)から27日(水)まで、つくば国際会議場において開催されました。このときに同じ会場で開催されたNBRPシンポジウムの参加報告が掲載されました。
https://www.brc.riken.jp/lab/dbs/sympo/report06.html (掲載予定)
■ 9月27日 (水)13:00 – 18:00
【シンポジウム】
「ナショナルバイオリソース・プロジェクト シンポジウム:これまでの
成果と今後の展望」

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 論文のMaterials & Methods に関する意見
■ 近頃、論文を参考に実験方法を再現しようとした際、使用した実験や材料の的確な記載がなされておらず、画期的な方法論にもかかわらずどうやって実験を再現して良いか困難に落ちる事がある。このような経験をお持ちなのは私だけでは無いだろう。特に一流雑誌と言われるもの程この傾向が強い。Materials & Methods (M & M) はSupplementary information に記載され紙上では全くその項目がない論文もある。論文掲載スペースの問題にもよるのであろうが、あまり感心しない。少なくても再現可能な記載を義務づけることが大切であろうと私は思う。雑誌社も此の点を考慮しないと、実験で何が行われたのかが外部の研究者には全く不明な「ブラックボックス」生物学の時代がやってくると懸念している。いま現実にその時代に突入しているのかもしれない。昔から物理や化学と比較して生物は記載されたM & M 通りにやっても再現できる実験は50%にも満たないと教えられてきたし、経験もしてきた。特に試薬のあるものは会社ごとにその品質が異なり同じ実験系でやっても、2~3倍に生物活性が「ぶれる」事はよくあることである。さらには、同じ会社でもロットによって全く活性が異なる試薬もある。試薬の順番を変えるだけでも結果が異なる事が多い。そのような実験系であるからこそ、M&M の詳細な記述が不可欠であると思う。
■ 先のM&M の省略は商業的応用の可能な新技術の場合は特に深刻である。投稿論文では試薬の記載が不十分なものだけでなく、材料に関する権利譲渡契約によって材料入手が制限されているものが最近多く成ってきている。とくにバイオテク企業はできるだけ秘密は守りたいと考えるであろうし、大学は成果特許から特許料収入を得たいと考えるであろう。このように最近では研究者が個人的に利害関係をもつように成ってしまった事も一因であろう。学術専門誌は公開性と利用可能性を確保するための掲載基準をもうけているがあまり効力を発揮していない。
■ 特に私達バンカーにとって私達の「リソース」がどのように利用され、どう貢献したかを知る事は必須である。このサーキットをまわす事によってそのリソースの品質,価値を高める事に繋がり、他の研究者への情報提供にも成る。>>私達は言いたい!! << 論文には、リソースの出所とどのようにして実験に供したかをM & M では詳細に記入するように雑誌社にお願いしたい。
■ あるいは雑誌社は論文受理の時点で、使用された材料を出来るだけ論文内で、やむえない場合には、オンライン版の補足資料で十分に記述する姿勢を堅持してゆくべきであろう。著者がこの情報を拒否すれば掲載を取り消すことも検討してゆくのも良い。また、査読を受け持つ先生方にもお願いしたい。査読の際には、M & M の記述の範囲内で、実験の追試が十分可能な情報が盛り込まれているかどうかも検討して頂きたい。
■ 最近Nature 誌は「読者がその論文中に記載された試薬やリソースを自由に入手出来るような施策を考えている」と今年の7月6日付けの442 (1)号で “Illuminating the black box” という記事を発表している。Nature に投稿する論文には、研究に使用した材料と試薬の全てを記載すべきである点を、生物学者に警告している。実際 “Nature Protocol” というON-line 版も刊行されその体制を強化していると考えられる。大変喜ばしい事である。
■ 私達も声を大にしてユーザーの方にお願いしたい!!  是非実験に使用した試薬や材料(リソース)をこれからは詳細に記載して雑誌社に送って欲しいと思う。また、理研バイオリソースセンターのリソースを使った発表論文は是非こちらにそのコピーを送ってもらいたいとも切に願うものである。(K.K.Y)

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ DNAバンクでは、クローンの作製時点から1クローンにつき1通の作業票をつくり、クローン構築作業を進めています。作業票には遺伝子断片を取得する元となったライブラリー等の情報、断片切り出しならびにベクター切断の酵素名、遺伝子組込み確認用酵素名とバンドのサイズなどの文字情報と、目的断片の切り出しや構築クローンの確認のための電気泳動像の写真データ等を添付していきます。
■ クローンの構築が完了したら、そのクローンをバンクの管理下に置きます。作業票をもとにクローンの特性データを台帳(データベース)に入力し、クローンのDNA を保存します。特性データは、ウェブカタログで公開しているデータとほぼ同じものです。クローン作製作業班からクローンがバンクに受け渡されたら、提供用クローンレプリカを作製するためにクローンを増やします。増やしたクローンは、作業票を元に制限酵素マップと塩基配列を検査します。オリジナルのクローンと提供用のクローンは、RDB 番号順に整理し、冷凍庫に保存します。
■ バンクでは業務としてクローンの作製を行っていますので、作業票の形で作製履歴が残りますが、一般の研究室では、完成したクローンのマップはあっても、クローン作製履歴は個人のノートに埋もれているのが実状ではないでしょうか。そこで今回は、研究室で利用できるデータシートを紹介します。ラボマニュアルのページにある「 遺伝子材料データ書式 – Clone Chart 」をご覧下さい。https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/manual.htmlこの書式は、DNAバンクに送られてくる様々なデータシートから「同じクローンを再構築するため」に必要かなと思う項目を集めて作りました。
■ 文字情報として「クローン」、「ベクター」、「インサート」、「クローニング手順」等の記入欄があります。「ベクター」には名称だけでなくサイズや参考文献を書き込みます。「インサート」には遺伝子名やサイズ以外にPCR かクローンからの切り出しか、などのhistory も書き込みます。「クローニング手順」は、どのサイトにどうやってい入れたか、挿入の向きやインサートの確認方法を書きます。「保存」の記載欄もあり、大腸菌の組換え体として保存している場合には、宿主の菌株名を書きます。この書式には記載欄を設けていませんが、ノートの通し番号とページ、フリーザーの番号等を記載すると良いと思います。(T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
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2006.10.19



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