RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)

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RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/news.html
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■ BRC-JCM 保有株由来ゲノムDNA試験提供について
■ 学会参加報告
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA試験提供について ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html
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■ 理研バイオリソースセンター(BRC)遺伝子材料開発室ならびに理研BRC微生物材料開発室(JCM)では、BRC-JCMに保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供準備を進めています。両材料開発室は、クローンならびに微生物株の提供機関としてそれぞれ世界的な事業を展開しておりますが、協力体制の下で行う事業は初めてのことです。そこで、試験提供期間を設け、BRC-JCM保有株由来ゲノムDNAの提供事業を行うことになりました。これまで両材料開発室ユーザーの皆様からのご要望を多数承っておりましたが、提供がなかなか実現せずご迷惑をおかけいたしました。今後も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象リソース数も徐々に増やしていく予定でおります。
■ RIKEN BRC-JCM で培養し、遺伝子材料開発室でDNAを調製したゲノムDNAです。提供単位は、培養ロット毎に異なっております。ご了承下さい。
■ RDB 5989
Organism: Thermus thermophilus Williams et al.
Designations: Genomic DNA from Thermus thermophilus JCM 10941T
Lot #: 060726
Shipped: Approx. 5 ug/vial
■ RDB 5990
Organism: Pyrococcus horikoshii Gonzalez et al.
Designations: Genomic DNA from Pyrococcus horikoshii JCM 9974T
Lot #: 060728
Shipped: Approx. 2 ug/vial
■ 国内提供手数料は学術研究機関の場合は 1 バイアルにつき 9,450円 (送料, 消費税込み)、学術研究機関以外の場合は 12,285 円 (同) です。なお、「学術研究機関」および「学術研究機関以外」の区分は、文部科学省の定める「科学研究費補助金取扱規程」中の「研究機関」の定義に基づいております。予めご了承下さい。
■ 微生物DNA提供の申込先およびお問合せ先は下記をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

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■■■ 学会参加報告 ■■■
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■ 日本遺伝学会第78回大会が、2006年9月25日(月)から27日(水)まで、つくば国際会議場(つくば市竹園2-20-3)において開催されます。
大会ホームページはこちら
https://www.brc.riken.jp/iden78/
ナショナルバイオリソースプロジェクトでは下記関連集会を開催します。シンポジウムならびにパネル展示では、理研BRCからも事業内容の紹介を行いますので、皆様、ご参加ください。これらの関連集会は一般に公開されており、学会参加登録も参加費も必要ないそうです。
■ 9月27日 (水)13:00 – 18:00
【シンポジウム】
「ナショナルバイオリソース・プロジェクト シンポジウム:これまでの
成果と今後の展望」
オーガナイザー:小林正智(理研BRC)、吉木淳(理研BRC)
エポカル中ホール300
■ 9月25日 (月)~9月27日(水) 09:00 – 17:00
【パネル展示】「ナショナルバイオリソースプロジェクト」
エポカル大会議室 101, 102
■ また、学会開催に先立ち、公開市民講座も開催されます。
9月23日(土)13:30 – 16:45
【公開市民講座】「あなたのそばの遺伝学」
エポカル中ホール200

■ 第65回日本癌学会学術総会では、理研BRCからも広報活動の一環として事業内容のパネル展示による紹介を行いますので、当該学会参加の皆様は是非お立ち寄り下さい。
【パネル展示】
期間:2006年9月28日(木)・29日(金)・30日(土)
場所:パシフィコ横浜(会議センター、展示ホールA・B)
学術総会ホームページはこちら
http://accessbrain.co.jp/cancer2006/

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 8月16日、ニューヨークJ. F. K. 空港に到着しました。コールドスプリングハーバー研究所で開催される「Mechanisms & Models of Cancer」に出席し発表する為です。このMeetingは、かつて「DNA tumor viruses」で知られ、世界の著名な人達が2 年に一度勢揃いし研究成果を発表しておりました。 その後、「Tumor suppressor gene」と名を変え、また今回は「Mechanisms & Models of Cancer」としてMITのDr. J. Lees, CSHのDr. S. Lowe, UCLAのDr. C. Sawyers, St. Jude Childrenユs Research HospitalのDr. Check Sherr らがオーガナイズし新しく生まれ変わりました。以前の「ウイルス学者」はほとんど見当たらず、マウスモデル研究者が主流でした。研究対象が癌であること自体は変わらないのですが、時代の変遷を感じます。
■ 会議はCheckpoint & cell cycle regulationから始まり、Cellular senescence, Genome, Target identification, Therapeutics, Signaling in mouse models, DNA damages & Repair, そしてTumor microenviromentと癌研究のすべてを網羅したセッションが続きました。さらに驚くべき事には、tumor suppressor gene として研究し尽くしたと思っていたp53とその関連遺伝子の研究も話題に取り上げられ、活発な討論がなされました。特にp53の機能として、細胞の増殖、分化、細胞周期、アポトーシス制御だけではなく、細胞の代謝制御にも重要な機能を果たす事が報告されました。解糖系、ペントースリン酸化回路でのTIGARの同定、ミトコンドリアでのSCO2の発見が発表されました。アポトーシス反応で、ミトコンドリアに局在するPUMA, オートファジーのDRAM等のp53の標的遺伝子としての発見と相まってp53関連遺伝子の機能解析研究はまだまだ続きそうです。その他に、p53/Rb Network経路の手直しとCellular senescenceがこれからはクロマチン制御と絡めて新しく発展してきそうです。また、新しい点としては、転写の伸張やスプライシングと癌化の研究も新しい芽として出てきそうです。
■ 全体としては低調でしたが、モデルマウスを使用した個体レベルでの解析が癌化研究の主流となってくる事を期待させるmeetingでした。癌研究に必要なリソースとして大いに我がバンクの宣伝をしてきました。大変有意義な5日間でした。 (K.K.Y.)

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ ウエスタンブロッティングないし免疫沈降などに利用するライセートの調製方法です。必ず氷の上で冷やしながら操作してください。
■ ウェブ上の「ラボマニュアル」には、バッファーを二種類、Lysis bufferとRIPA bufferを示しました。免疫沈降にはSDSが入っていないRIPA bufferが合います。SDS-PAGEによるウエスタンブロッティングに用いるだけであればLysis bufferを使います。タンパク質分解酵素阻害剤 (protease inhibitor)の種類は、ライセートを用いるその後の実験により選択してください。また、脱リン酸化阻害剤、脱SUMO化阻害剤 (de-SUMOylation inhibitor)を実験に応じて選択します。
■ 以下に手順をお示ししますが、用いる機器、細胞、あるいは用いる試薬のロット等によって条件が異なる場合があります。
■ サンプルの調製
1. 細胞を6-wellプレートに培養する。
2. プレートを氷上に置き冷やしながらPBS(-)で2回洗う。
3. PBS(-)を除き、150 ulのLysis bufferまたはRIPA bufferを細胞にかける。
4. 氷の上で冷やしながらプレートをよく揺すり細胞をけん濁する。
5. 細胞とバッファーを1.5 mlマイクロチューブに移す。
6. マイクロチューブを氷上で15分間冷やす。
7. 15,000 rpm、4℃、10分の遠心により上清を分離する。
8. 分離した上清を新しいチューブに分取し、-80℃に保存する。
■ 「どんな場合これが最適」というプロトコールはありません。培養細胞ライセートの調製に関してはネット上でも様々なプロトコールを入手することができます。ここに示した方法もその一つと考えてください。細胞の種類や量、培養の状態や用いる試薬に依存して操作の適切な条件は異なりますので、使用する試薬量やインキュベーション時間を変えて予備実験を行い、実験を個別に最適化する必要があります。また、「量の効果」、すなわち同じ濃度の試薬を使っていても反応容量が違うために結果が異なること、がありますので、大量調製には注意が必要です。予備実験は本番と同じ反応容量で行うことが原則です。予備実験の10倍量が必要であれば、10倍容量の1本の反応を行うのでなく、同一容量の10本の反応を行うことをお勧めします。(T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
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2006.09.21



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