RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)

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RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/news.html
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個人情報の取扱いについては、下記に詳細がありますので、ぜひ、御一読ください。
https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/inform.shtml

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■ 特別企画「ナショナルバイオリソースプロジェクト」
■ GENESETBANKにNIA/NIH Mouse cDNA cloneを追加中
■ 目的のNIA/NIH Mouse cDNA cloneを探す
■ メーリングリストの一時中断について
■ 遺伝子組換え実験に関して文科省より2件
■ 平成16年度「研究年報」が刊行されました
■ DNAバンクのちょっとした話し
■ 論文紹介
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■■■ 特別企画「ナショナルバイオリソースプロジェクト」 ■■■
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■ 本年も、日本分子生物学会年会(福岡)にて、「ナショナルバイオリソースプロジェクト」の特別企画が開催されます。当バンクもパネル展示で参加いたします。オンラインカタログ検索方法や提供申込み書式の記載方法等、バンクを利用して頂く際の疑問をぜひこの展示会場で解消して下さい。
■ NBRPシンポジウム実行委員会事務局からの連絡によりますと、NBRPシンポジウムもパネル展示も、分子生物学会年会の参加証は不要です。入場無料、事前申込不要、どなたでもご参加いただけます。

【シンポジウム】知的基盤としてのバイオリソースの現状と将来
日時:12月8日(木)13:00~15:30
会場:分子生物学会年会M会場 (Zepp Fukuoka)
ナショナルバイオリソースプロジェクトの紹介、主要なリソースの現状報告、さらには文部科学省等の政策側からの報告も加えて、知的基盤・研究基盤整備としてのバイオリソースのこれからについて討論をおこないます。

【パネル展示】バイオリソース勢ぞろい
日時:12月7日(水)から12月9日(金)9:00~18:30
会場:ヤフードーム

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■■■ GENESETBANKにNIA/NIH Mouse cDNA cloneを追加中 ■■■
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■ 個別クローンでも提供可能となったNIA/NIH Mouse cDNA CloneをGENESETBANKのリストに追加する作業を進めています。第一段階として Reguration of genes in ES cells 01に追加しましたのでご利用下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/en/GENESETBANK/103escell01.html

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■■■ 目的のNIA/NIH Mouse cDNA cloneを探す ■■■
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■ NIA/NIH Mouse cDNA clone(s)は個別クローンでも提供可能になります。当開発室に寄託されたクローンセットから目的の1個を見つけだすTIPsを更新しました。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/mouse_info.html

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■■■ メーリングリストの一時中断について ■■■
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■ 現在、DNA Bank メーリングリストは運用を中断しております。ご迷惑をお掛けいたしますが、悪しからずご了承下さい。
■ DNA Bank メーリングリストの説明を掲示しましたのでご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/userappl.html#dnaML

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■■■ 遺伝子組換え実験に関して文科省より2件 ■■■
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■ 遺伝子組換え実験に関して、文部科学省より下記2件の報告が掲載されておりますので、ご覧下さい。
二種省令における感染受容体の考え方について
Human immunodeficiency virus 1型 (HIV-I) の増殖力等欠損株等の解釈について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/main.htm#section3

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■■■ 平成16年度「研究年報」が刊行されました ■■■
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■ 「研究年報」はホームページに掲載に掲載されています。下記ホームページからご利用をお願いいたします。
刊行物「研究年報」のページ(日)
http://www.riken.jp/r-world/info/release/pamphlet/annual/2004/index.html
Publications, Ann. Rep. Res. Act. のページ(英)
http://www.riken.jp/r-world/info/release/pamphlet/annual/2004/index_e.html

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 大腸菌形質転換用コンピテントセルを自作する場合のプロトコールです。研究室や人によって作り方は多少違うようで、ある研究室ではすべての操作を低温室で行うよう教わりました。ここで紹介するのは、私がDNA Bank に来て習った方法です。すべての操作は室温で行って構いません。ただし試薬は冷やしたものを使い、遠心機は4℃ に設定してください。効率は10^5~10^6 cfu / ug と高いものとは言えませんが、短時間で簡単に作れる方法です。高い効率が必要なクローニングやライブラリー作製の用途には向いていませんが、精製したプラスミドを再び増幅する場合やタンパク質発現用の形質転換大腸菌の準備に使用するなら、全く問題ありません。
■ 以下に手順をお示しします。用いる器具は適宜オートクレーブをかけ、試薬はオートクレーブ、またはフィルターにより滅菌しておきます。

1日目:4ml の培養液に植菌
2日目:上で準備した4 ml の一晩培養菌を400ml の LB 培地に植える
37℃でOD600が0.9くらいまで培養(1.0までは上がらないように)
200 ml ×2本 に分けて集菌

<以下の操作は分割した1本ずつについて記述します>

1. 20ml の 80 mM CaCl2, 50 mM MgCl2 を加える
2. ピペッティングした懸濁液を50 ml チューブに移す
3. ボルテックスする 30秒~1分程度
4. 氷上に10分放置
5. 3000 rpm, 4℃, 10分で集菌

1, 3, 4, 5の操作をもう一度行う

集菌した沈殿に10ml の 100ml CaCl2 を加え、ボルテックス
10ml の 50% グリセロールを加え、ボルテックス
チューブに適量ずつ分注
直ちに、-80℃に保存

■ 100~150 ul を一つのクローンに対して使用していますが、分注して冷凍保存する量は 0.5~1 ml です。一旦精製したプラスミドを増幅するのであれば、コンピテントセルを数回凍結融解してもまだ使えます。凍結融解による効率の低下が心配であれば、コンピテントセルを1 ml で冷凍し、初回使用時に必要量を除いた残りを100 ul ずつ分注し直して冷凍してください。
■ ボルッテックスをかけ、液体窒素を使用しないで作製するため、最初は本当にできるのか不安でしたが、問題なく使っています。
■ 高い効率のコンピテントセルを得るのであれば、Inoue et al, 1990 をお勧めします。
Inoue H, Nojima H, Okayama H. High efficiency transformation of Escherichia coli with plasmids.Gene 96 (1): 23-28, 1990.
■ 菌の増殖と試薬のpH をコントロールできれば良いコンピテントセルを得ることができます。Transformation buffer (TB) の pH を適正なものに合わせるのが難しいのですが、(手間はかかりますが) pH の異なる二つのTB を調製し、それらの比率を変えて混ぜ合わせることで適切なpH に合ったTB を得ることができます。この様に pH の異なる2本の試薬を準備する方法は、リン酸カルシウム法による動物細胞への遺伝子の導入でも重宝します。(T.Y.)

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■■■ 論文紹介 ■■■
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■ Shayakhmetov D.M., Li Z.Y., Ni S., Lieber A. Interference with the IL-1-signaling pathway improves the toxicity profile of systemically applied adenovirus vectors. J. Immunol., 174, 7310-7319 (2005). PMID: 15905578.
■ 人体に適用するために新しいウイルスあるいは非ウイルス治療法が提案された時、遺伝子治療ベクターの安全性は中心課題となる。アデノウイルスベクターはin vitro での効果的な遺伝子運搬手段としてここ20年以上広範に使われてきた。しかし、静脈注射では、アデノウイルスベクターが宿主にとっては致命的であろう強固な自然免疫ないし炎症性の反応をじゃっ起することもわかってきた。ところが、宿主の反応の初期段階に関わる一次サイトカインならびにケモカインは今日まで未解決である。この論文で著者らは、IL-1 がアデノウイルスベクターの静脈注射による宿主の迅速な反応の初期段階に関わる主要な仲介者であることを示した。遺伝的にIL-1 シグナルを抑制した (IL-1R1-KO) マウスないし抗IL-1 抗体でシグナルを抑制したマウスを用いると、コントロールに比べ、静脈注射したアデノウイルスベクターは劇的に急性の炎症反応の抑制を示した。重要なことは、IL-1 シグナルの阻害によって、in vivo のアデノウイルス遺伝子導入の効率は有意には影響を受けなかったことである。肝組織でのin situ ハイブリダイゼーション手法により、肝細胞とクッパ-細胞でIL-1 遺伝子の転写はアデノウイルスベクターの静脈からの適用の後に観察された。さらに、肝臓への好中球の取込みに役割を担うMIP-2 ケモカイン遺伝子の発現がIL-1 の活性化に依存していることも観察した。以上のことは、アデノウイルスベクターの静脈注射による迅速な自然免疫ないし炎症性の宿主反応が、IL-1 シグナル経路の干渉を通して薬理学的にコントロールしうることを示唆している。(T.M.)
■ 利用した遺伝子材料
pCAmsIL1 alpha (RDB 1516)
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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
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2005.11.30



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