RDB_News

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■ 発現クローンシリーズの追加
■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加
■ 学会のお知らせ
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 発現クローンシリーズの追加 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/RDB5956_2ja.html
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■ pCMV_tag ならびにpRSV_tag vectors にクローニングした発現クローンシリーズのクローンを追加しました。ヒト核内レセプターならびにbZIP 蛋白質遺伝子から計39クローンが提供可能です。ウエスタンブロットによりタグを検出し、発現確認済みです。
■ データベース更新作業の都合上、ウェブカタログでご覧いただけないクローンもありますが、標題のアドレスで公開しているクローンは提供可能です。

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■■■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html
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■ 理研バイオリソースセンター(BRC)遺伝子材料開発室ならびに理研BRC微生物材料開発室(JCM)では、BRC-JCM に保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供準備を進めています。今回追加株は、利用者からの希望がありましたTannerella forsythensis JCM 10827T 由来ゲノムDNA です。今後も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象リソース数も徐々に増やしていく予定です。
■ RIKEN BRC-JCM で培養し、遺伝子材料開発室でDNAを調製したゲノムDNAです。提供単位は、培養ロット毎に異なっております。ご注意下さい。
■ RDB 6237
Organism: Pasteurella pneumotropica Jawetz 1950
Designations: Genomic DNA from Pasteurella pneumotropica JCM 14074T
Lot #: 070808
Shipped: Approx. 5 ug/vial
■ 国内提供手数料は学術研究機関の場合は 1 バイアルにつき 9,450円 (送料, 消費税込み)、学術研究機関以外の場合は 12,285 円 (同) です。なお、「学術研究機関」および「学術研究機関以外」の区分は、文部科学省の定める「科学研究費補助金取扱規程」中の「研究機関」の定義に基づいております。
■ 微生物DNA提供の申込先およびお問合せ先は下記をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

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■■■ 学会のお知らせ・ ■■■
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■ 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会<合同大会>が、2007年12月11日(火)~15日(土)に、パシフィコ横浜において開催されます。
■ 大会期間中、ナショナルバイオリソースプロジェクトNBRPではパネル展示を予定しており、遺伝子材料開発室をはじめ理研バイオリソースセンター各室は展示を予定しています。理研BRC に対するご意見・ご質問等ございましたら、お気軽にお立ち寄りください。理研バイオリソースセンターは企業ブースの中でも活動紹介の展示を予定しています。
■ 遺伝子材料開発室の成果発表を予定しています。
12月13日(木)
3P-1287 転写因子遺伝子群の網羅的収集を目的とした遺伝子セット化バンクの構築
3P-1288 大腸菌内リン酸化蛋白質産生プラットフォームを用いたJDP2 ならびにヒストンH3 のリン酸化
3P-1289 Gene Set Bank 利用のためのリソースデーターベースの構築
3P-1290 プロモーター・レポーターバイオリソースの整備と提供及び関連情報の公開
■ このほか、ポスター発表では12月12日(水)に演題番号2P-0900から2P-0905、口頭発表では12月15日(土) 9:15~11:45のワークショップ「5W15 ヒストンシャペロン:日本から世界へ発信し得たクロマチン因子」の中で発表を予定しています。

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 先日10月26日ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP) 平成19年度運営委員会委員長会議に参加しました。其処での議題はNBRP のゴールと運営方針及びプロジェクト終了後の体制の検討、実費徴収の拡大などであり、文部科学省のお役人と実践部隊との間で議論白熱致しました。
■ 予期された事では有りますが、一番問題となったのは第2期NBRP 以降のバイオリソース維持と中核機関の運営基盤に対する予算措置が難しい点です。大学や研究者コミュニテイーに働きかけサポートを支持してもらう以外に5年後生き延びる術が無いことを自覚致しました。今後事業を続けてゆく事が可能か等の事業継続の危機感が大きいと理解できます。NBRP 発足以前の理研や厚生労働省のバンク事業が歩んだ道をNBRP も歩む事になると予想できます。本来の研究グラントとは全く違う意味合いを持つこの国家事業をいかに絶やす事無く継続してゆくかが、今後の我が国が本当の意味での科学立国となるための鍵を握っていると言えます。「リソース無くしてリサーチ無し」、「リサーチ無くしてリソース無し」を研究者コミュニテイーに訴え支援を受ける事がリソース資源保存の生命線だと思います。せっかく国費を投じて少しずつ整備され始めたリソース整備の火を消す事無く、しかも日本発のリソースで国際的なイニシアテイブの確保、研究者のみならず国民に賞賛されうるバンク作り、社会へのアウトリーチを考え、将来の方策を練ってゆくべきであると思います。改めて大変な危機感と責任を感じた会議でした(K.K.Y.)。

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 組換えアデノウイルスを使えば、高い遺伝子導入効率が期待できる。学会やセミナーなどでユーザーの皆さんとお話しすると、そう期待されているお話を多く聞きます。確かに、遺伝子導入効率の悪いマウス初代培養細胞 (MEF) の場合は、次に示すウェブページで我々が行ったように、遺伝子導入効率は上がりました。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/adenoja.html
■ しかし、高い遺伝子導入効率が期待できるのは、全ての細胞ではありません。同じページに示しているように、細胞によって遺伝子導入効率がまちまちです。組換えアデノウイルスに使われているヒト5型アデノウイルスは、コクサッキーウイルスアデノウイルス受容体 (CAR) を介して細胞に導入されます。そこで、CAR の発現が少ない細胞では組換えアデノウイルスは取り込まれにくくなっています。また、血球系細胞には入りにくいと言われています。
■ 最近のCancer Gene Therapy の目次を見ても、下に示したように、アデノウイルスの特定の細胞への感染効率を上げる努力が続いています。言い換えれば、これらの論文に出てくる細胞を使う予定の方は、遺伝子導入効率があまり高くないことを覚悟しなければいけません。
Z. Ye et al., Engineered CD8+ cytotoxic T cells with fiber-modified adenovirus-mediated TNF- gene transfection counteract immunosuppressive interleukin-10-secreting lung metastasis and solid tumors. Cancer Gene Ther 14: 661-675, 2007.
K. Rittner et al., Targeting of adenovirus vectors carrying a tumor cell-specific peptide: in vitro and in vivo studies. Cancer Gene Ther 14: 509-518, 2007.
M. K. Magnusson et al., Adenovirus 5 vector genetically re-targeted by an Affibody molecule with specificity for tumor antigen HER2/neu. Cancer Gene Ther 14: 468-479, 2007.
M. Stevenson et al., Incorporation of a laminin-derived peptide (SIKVAV) on polymer-modified adenovirus permits tumor-specific targeting via 6-integrins. Cancer Gene Ther 14: 335-345, 2007.
E. Brouwer et al., Human adenovirus type 35 vector for gene therapy of brain cancer: improved transduction and bypass of pre-existing anti-vector immunity in cancer patients. Cancer Gene Ther 14: 211-219, 2007.
S. Ni et al., Evaluation of adenovirus vectors containing serotype 35 fibers for tumor targeting. Cancer Gene Ther 13: 1072-1081, 2006.
W. A. Marsman et al., Gene therapy for barrett’s esophagus: adenoviral gene transfer in different intestinal models. Cancer Gene Ther 12: 778-786, 2005.
Y. Okada et al., Transcriptional targeting of RGD fiber-mutant adenovirus vectors can improve the safety of suicide gene therapy for murine melanoma. Cancer Gene Ther 12: 608-616, 2005.
A. V. Borovjagin et al., Complex mosaicism is a novel approach to infectivity enhancement of adenovirus type 5-based vectors. Cancer Gene Ther 12: 475-486, 2005.
B. O. Engesater et al., PCI-enhanced adenoviral transduction employs the known uptake mechanism of adenoviral particles. Cancer Gene Ther 12: 439-448, 2005.
■ 遺伝子材料開発室では、組換えアデノウイルスに関する特性情報の収集に努め、組換えアデノウイルスを効果的に使うための情報を蓄積しています。計画されている組換えアデノウイルス実験が目的の細胞に合った手法かどうか、迷ったときにはDNAバンクまで電子メールでご相談ください。(T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
dnabank@brc.riken.jp
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/
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2007.09.27



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