RDB_News

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■ 組換えアデノウイルスの取扱に関するテクニカルセミナー
■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加
■ バンク雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 組換えアデノウイルスの取扱に関するテクニカルセミナー ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/adenoja.html
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■ 69回BRCセミナーとして、組換えアデノウイルス利用の概要を紹介するテクニカルセミナーを企画いたしました。

〔日時〕平成19年10月23日(火)14:30-17:30
〔会場〕理化学研究所筑波研究所 事務棟1階大会議室
(会場までの案内 https://www.brc.riken.jp/inf/access/)
〔参加費〕 無 料
〔申込〕 要(配布資料の準備の都合上、事前に郵送、ファックスまたは電子メールでの参加申し込みをお願い致します)
〔申込期日〕 平成19年10月17日(水)
■ このテクニカルセミナーでは、組換えアデノウイルス利用に関係する「遺伝子組換え生物等規制法」の講演とシャトルベクターから組換えアデノウイルスに変換ならびに組換えアデノウイルスの精製に関する講演を行います。

■ 配布資料の準備の都合上、事前の参加申し込みをお願い致します。詳細は下記にて。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/adenoja.html

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■■■ BRC-JCM保有株由来ゲノムDNA提供可能株の追加 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html
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■ 理研バイオリソースセンター(BRC)遺伝子材料開発室ならびに理研BRC微生物材料開発室(JCM)では、BRC-JCMに保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供準備を進めています。今回追加株は、利用者からの希望がありましたTannerella forsythensis JCM 10827T由来ゲノムDNA です。今後も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象リソース数も徐々に増やしていく予定でおります。
■ RIKEN BRC-JCM で培養し、遺伝子材料開発室でDNAを調製したゲノムDNAです。提供単位は、培養ロット毎に異なっております。ご注意下さい。
■ RDB 6238
Organism: Lactobacillus murinus Hemme et al. 1982
Designations: Genomic DNA from Lactobacillus murinus JCM 1717T
Lot #: 070808
Shipped: Approx. 2 ug/vial
■ RDB 6239
Organism: Clostridium thermocellum Viljoen et al. 1926
Designations: Genomic DNA from Clostridium thermocellum JCM 9323
Lot #: 070808
Shipped: Approx. 2 ug/vial
■ RDB 6275
Organism: Archaeoglobus fulgidus Stetter 1988
Designations: Genomic DNA from Archaeoglobus fulgidus JCM 9628T
Lot #: 070903
Shipped: Approx. 10 ug/vial
■ 国内提供手数料は学術研究機関の場合は 1 バイアルにつき 9,450円 (送料, 消費税込み)、学術研究機関以外の場合は 12,285 円 (同) です。なお、「学術研究機関」および「学術研究機関以外」の区分は、文部科学省の定める「科学研究費補助金取扱規程」中の「研究機関」の定義に基づいております。
■ 微生物DNA提供の申込先およびお問合せ先は下記をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 親和性試薬とは蛋白質を標的とする抗体や核酸を標的とするアンチセンス核酸ないしRNA 干渉核酸 (RNAi) 等の事である。
■ 人間の蛋白質の原型骨格は22,700個以上の遺伝子産物によって構成される。これら全ての蛋白質に対する親和性試薬の作製は人間の機能を知るうえで必須の作業工程である。現在親和性抗体のハイスループット自動化によって少しずつ実現しつつあるが、驚くべきにいまだに極めて少数の蛋白質にしか抗体試薬は作製されていない。しかもWestern blot 法、プロテインマイクロアレー、免疫組織化学解析によるバリデーションをクリアしているのは未だ3,000弱である(Human Protein Atlas; http://www.proteinatlas.org)。抗体のみならず親和性試薬と呼ばれる創薬素材の開発の可能性はここに存在する。
■ しかしながら全ての蛋白質を標的にする抗体開発も時間を要し、現在ではアプタマーに移行してきている。もちろんアプタマーもいろいろな難点を含んでいる。特に標的精度とデリバリーは最大の難関である。
■ しかし最近、抗体でもVHCDR1 およびVLCDR3 の相同性決定領域 (CDR) を同族のフレームワーク領域 (VHFR2) を介して誘導させる事により、親分子の抗原認識能を保持しながら優れた腫瘍浸透性をもつ疑似抗体の開発が報告された (Nature Biotechnology 25, 921-929, 2007)。この疑似抗体の抗原認識能は対応する無フレームワーク領域断片を上回っていたし、毒素コリシンIa と結合させ腫瘍の選択的阻害を実現させるのに多いに効果があったと報告されている。
■ 親和性試薬の標的能の改良とデリバリーが今後の抗体産業や核酸試薬の最大の障害であり、此れを乗り切るためのアイデアが要求される。遺伝子導入法の技術開発での新しいブレークスルーが待たれる(K.K.Y.)。

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 一般的な遺伝子組換え生物を使用した実験を行う場合は、「二種省令」に従い拡散防止措置を決めていきます。組換えウイルスを用いる場合も増殖力欠損型のウイルスを使用する場合は、(見落としがちな例外を除いて)「二種省令」に従います。
■ 「見落としがちな例外」は、例えば、実験の目的が「自律増殖能欠損型のウイルスを出発材料として(がん細胞など)特定の細胞で特異的に増える制限増殖型ウイルスを作製する」場合、「制限増殖型」ウイルスの考え方が適用され、別表第一第一号へに該当し、大臣申請の対象となる、という場合です。たとえ手元にある組換えウイルスが自律増殖能を欠いていても、最終的に(限定的とはいえ)自律増殖能を持ったウイルスを作製するのですから、実験計画そのものが増殖型ウイルスの扱いとなっていなければなりません。
■ このような注意点をまとめた記事が、文科省HPに「ウイルスを用いた遺伝子組換え実験を行う方々へ」というタイトルで掲載されており、日本ウイルス学会雑誌「ウイルス」2007年6月号(第57巻 第1号 P91~100)の記事が転載されています。
http://www.lifescience.mext.go.jp/bioethics/virus_kumikae.html
ここに掲載されている記事は、文科省ポジションペーパ内に記載されている「研究開発二種省令別表第一第一号へに該当しないウイルス及びウイロイドに係る考え方(平成19年5月14日)」
http://www.lifescience.mext.go.jp/bioethics/anzen_position.html
をよりわかりやすくするため、ウイルス学会誌で掲載されたものです。
■ 組換えウイルス実験を計画されている方はご一読ください。(T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室
dnabank@brc.riken.jp
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/
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2007.09.27



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