RDB_News

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■ 高度好熱菌蛋白質発現プラスミドの提供
■ Xenopus tropicalis EST クローンの提供
■ バンク雑記
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■■■ 高度好熱菌蛋白質発現プラスミドの提供 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/thermus_ja.html
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■ 遺伝子材料開発室DNAバンクでは、独立行政法人理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター 倉光成紀先生から寄託された高度好熱菌T. thermophilus HB8 蛋白質発現プラスミドの単クローンでの提供を開始いたしました。クローンの概要はホームページをご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/thermus_ja.html
■ 総数1,685株から構成されるクローンセットは平成19年4月の提供開始を目指して準備しているところです。
■ Thermus thermophilus HB8 ゲノムDNA は、当バンクから入手可能です
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html
■ Thermus thermophilus HB8 (JCM 10941T) 菌株はBRC-JCM から入手可能です。BRC-JCM のホームページをご覧下さい。
http://www.jcm.riken.jp/JCM/JCM_Home_J.html
■ 関連記事
Whole-Cell Project of a Model Organism, Thermus thermophilus HB8
http://www.thermus.org/

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■■■ Xenopus tropicalis EST クローンの提供 ■■■
https://dna.brc.riken.jp/ja/NBRPxenopus_ja.html
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■ 遺伝子材料開発室DNAバンクでは、基礎生物学研究所 上野直人先生から寄託されたXenopus tropicalis (Silurana tropicalis) EST クローンセットの単クローンでの提供を開始いたしました。
https://dna.brc.riken.jp/ja/NBRPxenopus_ja.html
■ このクローンは、ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP) アフリカツメガエル (http://shigen.lab.nig.ac.jp/xenopus/top.jsp) により作製されました。クローンの検索ならびに配列情報は、NBRP アフリカツメガエルのウェブページを参照して下さい。
なお、Xenopus laevis EST clone (http://xenopus.nibb.ac.jp/) の提供は、引き続き基礎生物学研究所が行っています。
■ 関連記事
http://shigen.lab.nig.ac.jp/xenopus/request.jsp

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 私こと横山和尚が理化学研究所に在籍して早いもので22年になります。遺伝子材料開発室の室長としてDNA バンクの回顧録をお願いしたいとの要望が有りましたので当時の思い出を含めて書きたいと思います。私がジーンバンク事業に関わりどのようにして事業を展開してきたかを数回にわたって綴りたいと思います。あくまで個人的な見地からの発言と思って下さい。
■ かれこれ19年位前に私は分子遺伝学研究室からジーンバンク室に内部移籍致しました。当時は分子遺伝学研究室の研究員と国際フロンテイアの研究員の両方を兼任しておりました。そして国際フロンテイアの実験部屋が正式にはなく私は実験棟の共同利用の部屋に一年、その後ジーンバンク室の3階の細胞バンクの一室に一年、そして最終的にDNA バンク室の奥の部屋に一年と、あちこち転々とした事を覚えております。そして、DNA バンクの室員達との交流が始まります。其の頃はDNA バンク室では添田栄一先生が今井研究員と二人で酵母をゲノムのマッピングのプロジェクトとシークエンスプロジェクトとして酵母をモデルにした「ゲノムプロジェクト」を奔らせておりました。私は興味本位からマッピングの実験の手伝いをしておりましたがこれを本格的にやる事に成るとは其の頃は夢にも思っておりませんでした。その後、添田先生に誘われDNA バンク室に移籍し、添田先生のテクニシャンと一緒に試行錯誤でヒト遺伝子断片の酵母人工染色体ヒトゲノムライブラリーを作製しました。その傍ら、国際フロンテアのDr. G. Gachelin の老化マウスの仕事(MRL/lpr) もやらなければいけず、本当に両方のテーマを抱え大変でした。
■ 暫くすると今井研究員がアメリカのワシントン大学のDr. M. Olson の研究室に酵母人工染色体ヒトゲノムライブラリーを作製するために留学しました。DNA バンク室でもこのプロジェクトを立ち上げなくてはいけず責任が重くのしかかってきました。でもどうにか100-200キロベースのヒト遺伝子断片を有したYACライブラリーを作製する事に成功いたしました。しかしDr. M. Olson の研究室では其の頃には今井研究員によってYAC の平均サイズを300-800 キロベースにまで延ばしており、我々のものはまだまだ満足のゆくものでは有りませんでした。色々試行錯誤したのですが、長いインサートを有するYAC クローンを取る事は至難の業でした。今思いますと短いインサートしか取れなかった原因は「水」か「形質転換効率の低さ」と思っております。いずれにしても日本発のYAC ライブラリーを初めて作製した事は事実です。成果は論文発表致しました (1-6, 8)。そのうちにDr. M. Olson の研究室や、仏国CHEF 研究所ではメガのサイズでYACライブラリーを作製する事に成功し、完全に打ちのめされました。しかしながら後で室員として入室しました浴研究員は21番染色体の連結を行い、一応の成果を収めました (7, 9-11)。彼のたゆまぬ忍耐のお陰と感謝致しております。マッピングとコンテイグ、そして村上研究員による酵母染色体のシークエンシングと意気盛んな時代でした (12)。
■ そして私は遅れていたDNA バンクの立ち上げを仰せつかりました。当時は厚生省が日本中央競馬会の支援で遺伝子のバンクを数年先行して奔っておりました。其の当時でも2,000-3,000件の利用が有ったと記憶しております。しかも料金は無料でした。理研のDNA バンクは大きく遅れをとっておりました。これを同等迄に立ち上げる事がほとんど困難とさえ思いました (K.K.Y.)。
■ 参考文献
(1) Yokoyama, K. et al., Jpn. J. Hum. Genet. 35, 131-143 (1990).
(2) Kai, T. et al., FEBS Lett. 275, 77-82 (1990).
(3) Imai, T. et al., Methods 1, 180-185 (1990).
(4) Tashiro, H. et al., Jpn. J. Hum. Genet. 36, 229-243 (1991).
(5) Shin, E-K. et al., EMBO J. 10, 3641-3645 (1991).
(6) Ozawa, K. et al., Genomics 12, 214-226 (1992).
(7) Eki, T. et al., Jpn. J. Hum. Genet. 36, 331-334 (1991).
(8) Nagaoka, H. et al., Genomics 22, 189-197 (1994).
(9) Abe, M. et al., DNA Sequence 5, 239-243 (1995).
(10) Eki, T. et al., DNA Sequence 6, 95-108 (1995).
(11) Eki, T. et al., Mammalian Genome 7, 303-311 (1996).
(12) Murakami, Y. et al., Nature Genet. 10 261-268 (1995).

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
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2007.03.01



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