RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)

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RIKEN BioResource Center DNA Bank Mail News (電子メール版)
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/news.html
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■ 第58回BRC セミナー開催
■ NBRPシンポジウム参加報告
■ RIKEN DNA Bankからの採用情報
■ BANK 雑記
■ DNAバンクのちょっとした話し
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■■■ 第58回BRC セミナー開催 ■■■
https://www.brc.riken.jp/inf/semi/brc58.html
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■ 濱田 洋文 先生(札幌医科大学分子医学研究部門)
「腫瘍の標的化を目指した遺伝子治療法の開発」
日時:2006年6月12日(月)14:30~15:30
場所:理研筑波研究所バイオリソースセンター1階 大会議室
■ 癌遺伝子治療法の臨床応用における困難は如何に標的細胞に対して高い特異性を持ち、しかも高効率で遺伝子導入可能なベクターを開発するかにあり、新規ブレークスルーの開発が待たれます。我国のアデノウイルスベクター開発の第一人者である札幌医科大学分子医学研究部門の濱田洋文教授はこの問題に取り組み今回新しい標的特異性を有する選択的遺伝子治療用アデノウイルスベクターを開発致しました。ウイルス外皮への修飾と腫瘍特異的抗体をもちい、目的とする細胞に選択的に遺伝子導入できる安全性の高い治療ベクターを作成しました。これにより今まで難しかった血球系細胞などへの遺伝子導入も問題なくなりましたし、CARによる遺伝子導入系と同等の、或はそれ以上の導入効率を示す事に成功致しました。その高度利用の試験研究の成績も合わせて講演して頂く予定です。分子生物学、遺伝子治療、癌研究、トランスレーショナルリサーチに興味の研究者、学生さんの多数の御聴講を期待しております。
■ 連絡先 : 遺伝子材料開発室 横山 和尚 (dnabank@brc.riken.jp)

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■■■ NBRPシンポジウム参加報告 ■■■
https://www.brc.riken.jp/lab/epd/sympo/report05_3.html
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■ NBRPシンポジウム(シリーズ第3弾 「植物研究を支えるモデル植物のリソース・技術と作物への展開」)参加報告が掲載されました。
■ このシンポジウムは、日本植物生理学会と文部科学省NBRPシンポジウム実行委員会(委員長:小原雄治 国立遺伝学研究所所長)との共催にて平成18年3月21日(火・祝)に開催されました。

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■■■ RIKEN DNA Bankからの採用情報 ■■■
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■ 引き続き、遺伝子材料開発室では任期制スタッフを募集しています。詳細は、前号のメールニュースをご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/news/NWL060424.html

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■■■ バンク雑記 ■■■
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■ 生物を取り扱う学問領域は年々拡大しつつ細分化して、数学、物理、化学の理科系だけでなく歴史学、人類学等を始めとする文科系とも融合化し境界領域複雑系になってきている。 情報解析技術の発達がこれに拍車をかけ、今後どのように発展するのか予想がつかないというのが実状である。 遺伝子もORFeome解析,Phenome解析、Comparative & Evolutionary Genomics解析, Epigenomics解析と相互ネットワークの理解に集中してきている。 その中で我々が注目した「プロモーターバンク」に関する雑感を述べたい。
■ 遺伝子発現系の標的化ということでプロモーターに着目しそのプラットフォーム型クローンを作成しバンキングしようと試みた。ゲノムDNAからPCRでプロモーター断片を取得し、これをレポーターに接続し、細胞レベルでプロモーター活性を評価するまでは順調であった。そしてこのプロモーターを使用してPromoter-Cre Tgを作成し始めたが、ここで大きな難関にぶつかった。細胞レベルでは良く染色されるプロモーターではあったが、個体ではレポーターが全く染まらない。RNAは発現していてもレポーター活性としての量は相当少ない。これは一体 なに?
■ 細胞と個体では、trangent expressionかstable transformantかという違いが考えられます。Tg動物を作ったが、数世代後には導入遺伝子の当初の発現レベルに比べて、とても弱い発現しか無かった、ということを聞いたことがあります。また、細胞実験と個体作製では1細胞あたりの導入遺伝子数が異なることも考えられます。さらに個体と細胞ではプロモーターとして働く部位が全く違うこともあるでしょう。
■ やっぱりこの方法ではCre-Tg作製は無理です。膨大な時間と労働力とお金を注ぎ込みました。私達にとっては高い授業となりました。やっぱりTg マウス作製にはそのためのストラテジーを用いるべきです。そのほかにも問題があります。 発現パーターンも明らかでその強度も強い、つまり良く染まるプロモーター活性の強いものしか論文として現れてきません。皮膚を解析するのはこれで、リンパ球はこのプロモーターで、膵臓は?骨格筋は?心臓は???等、現在はこの領域は全て決まりきったプロモーターでのTg解析であります。ましてや他のマウスの系では全く解析されていません。ここにも予期しない限界があります。やはり多様性を研究すべくこのプロジェクト諦めてはいけないという認識に立ちました。そのためにもツールは一つではなく幾つか準備して整備してゆくことが大切になって来ると再認識している。いま新しいストラテジーと格闘中です。
■ 生物以外の手法を取り入れて多面的に生物を考えることの大切さを知りました。常識は決して常識ではない良い例です。私達は全く無知であることを知り,良い経験をしました。 (K.K.Y.)

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■■■ DNAバンクのちょっとした話し ■■■
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■ 赤い色素のponceau S をご存じでしょうか?ウエスタンブロッティングで重宝する色素です。この色素を使うと、メンブレンに転写した蛋白質を染めることができるので、「泡が入って蛋白質がうまく転写されていない」とか「原因不明だけどバンドがぼやけたまま転写されていた」という失敗を早く知ることが出来ます。そしてなにより、染色後のメンブレンをTBS 等のバッファで洗うことで、簡単に脱色できます。洗わずに直接、蛋白質のバンドが染め出されたメンブレンをそのままブロッキング液に浸しても、ブロッキングをしている間に脱色されますので手間がかかりません。
■ この他にもう一つponceau S の使い方を見つけました。DNA のアガロースゲル電気泳動の色素としてはどうかな?と思ったので、入れてみました。赤い色がとても目立ちますので、泳動の良い目安になります。よく使われる色素は、水色のキシレンシアノールと濃い青色のBPB ですが、ponceau S はこの二つよりも大きい移動度をもっていました。しかも、その位置がちょうど良い。つまり、キシレンシアノールとBPB の距離とBPB とponceau S の距離が同じくらい!お試し下さい。 (T.M.)

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発行
理化学研究所・バイオリソースセンター
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2006.05.27



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