technicalnotes17

ponceau S

■ 赤い色素のponceau S をご存じでしょうか?ウエスタンブロッティングで重宝する色素です。この色素を使うと、メンブレンに転写した蛋白質を染めることができるので、「泡が入って蛋白質がうまく転写されていない」とか「原因不明だけどバンドがぼやけたまま転写されていた」という失敗を早く知ることが出来ます。そしてなにより、染色後のメンブレンをTBS 等のバッファで洗うことで、簡単に脱色できます。洗わずに直接、蛋白質のバンドが染め出されたメンブレンをそのままブロッキング液に浸しても、ブロッキングをしている間に脱色されますので手間がかかりません。
■ この他にもう一つponceau S の使い方を見つけました。DNA のアガロースゲル電気泳動の色素としてはどうかな?と思ったので、入れてみました。赤い色がとても目立ちますので、泳動の良い目安になります。よく使われる色素は、水色のキシレンシアノールと濃い青色のBPB ですが、ponceau S はこの二つよりも大きい移動度をもっていました。しかも、その位置がちょうど良い。つまり、キシレンシアノールとBPB の距離とBPB とponceau S の距離が同じくらい!お試し下さい。 (T.M.)
(Mail News 2006.05.27 掲載記事より)



コメントは受け付けていません。