事例の詳細

2015年1月23日

「分裂酵母Entry, FFH- and YFH-tagged クローンセットの SpEnt26F09、SpFFH26F09及びSpYFH26F09クローンのカタログからの削除」のお知らせの詳細について

 

事例の詳細

2006年に国内の研究者より分裂酵母遺伝子のエントリー、FFHタグ、YFHタグの各クローンセット(各4,812クローン)の寄託を受け、寄託者から指示された培養条件でコピーを作製し、提供してまいりました。寄託者は全クローンの塩基配列を解読しており、配列を公表しています。当室では、セット全体の数%のクローンを無作為に選び、挿入遺伝子末端の塩基配列確認検査を実施いたしております。また、セットの個別のクローンへの依頼については、その都度検査を行っています。最近、セットの中の26F09クローン(raf2遺伝子)の提供依頼がありました。過去、2007年にも26F09クローン個別への提供依頼があり、raf2遺伝子の断片が存在することを確認し提供しましたが、今回の提供依頼を受けて改めて両端配列検査を行い、その結果エントリー、FFHタグ、YFHタグクローンとも、26F09クローンの5’側のベクター-インサート境界近辺のatt組換え配列直後の7塩基対のリンカーと74塩基対の遺伝子翻訳領域、計81塩基対が欠失していることが判明しました。今回判明した欠損により、利用者の期待した実験結果が得られない可能性が危惧され、寄託者と相談した所、いずれの26F09クローンもクローンセットより削除することとの指示がありました。

本件リソースのように、正しい遺伝子が挿入されているにもかかわらず、配列の一部が欠損したクローンについて、提供前に漏れなく欠損を把握することは極めて困難ですが、生命科学研究の精度と効率の向上のため、引き続き検査精度の改善に最大の努力をいたします。ご理解とご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

尚、過去の全ての利用者には、2015年1月13日までに陳謝と説明のご連絡を差し上げております。

 



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